●友人から譲り受けたKZ1000。 気になる異音や白煙といった不調を改善し長く乗っていきたいとレストア作業のご依頼を頂いた。 |
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●DYNA製のコイルが装着されているが、取り付け方によりプラグコードがフレームに干渉し無理がかかってしまっている。 取り出し口は進行方向に向けた方がスマートな取り回しになる。 |
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●早速カムカバーを開けエンジン分解作業に入る。以前にも手をいれてある形跡がちらほら。 | |
●トップアイドラーをとめる4本のボルトに異なる物が混ざっており(強度等)締め付けトルクも不十分だった。 | ●シリンダーヘッド両端のM6ボルトもSTDよりも長いものが使用されていた。おそらくシリンダー側の雌ねじが痛んでおりSTDの長さではトルクがかからなかったのであろう。 |
●シリンダーヘッドを降ろした状態。 使用されていたピストンはKZ純正STDサイズ。 シリンダー中央に位置するセンターOリングがカムチェーントンネルに向けて押し切れてしまっている。 |
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●シリンダーを抜いた状態。縦傷がかなり出来てしまっている。 | |
●過去に開けた形跡はあったもののピストンはSTDサイズ。シリンダーライナー同様ピストン側にも縦傷がひどい。 | |
●シリンダーヘッドを分解し検証。 使用されていたSTDバルブ。全体的にウェットな状態。 |
●全てのバルブを取り外しカムシャフトを装着。カムラインの状態とカムホルダーボルトの雌ねじの状態をチェックする。同時にストレートエッジを使用し面歪みもチェック。 |
●取り外されたクラッチプレート。 メタルプレートに錆が目立つ。 |
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●スプロケットロックワッシャーを見ると本来スプロケット側にかかる爪がかかっておらずロックされていない状態... 定期的に話題に登る箇所ですが、大事故につながる可能性がある部分だけに適切な締め付けトルク管理をしなければならない。 |
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●車体側も分解されフレームやステム、フォーク等の歪み等の点検、修正と細かい部品を含めたパウダーコートの準備。 | |
●ハンドルロックのキーシリンダーを固定する為の芋ねじを取り付ける雌ねじが痛んでいたため、ヘリサートで修復。 | |
●クランクの測定、修正。 洗浄し組み付ける用意。 |
●トランスミッションのオーバーホール。ベアリング類はメーカー新品にて総交換。クラッチバスケットにはまだ新品で入手可能なJバスケットをコンバート。 |
●製造時のバリ等も取り除いていく手組ならではの作業。 | |
●修正、洗浄等を終えたクランクシャフトやオーバーホールを終えたトランスミッションをケースにセット。 | |
●締結された上下クランクケース。焼付け塗装が施されたブラックが美しい。 | |
●今回使用する純正新品0.5osピストンや新品タペット、カムメタル等にWPC+MOS2を処理を施した状態。鈍く黒光りする仕上がりが特徴であるこの処理はフリクションロスの低減と耐久性を狙うもの。 | |
●クランクケースに新品シリンダースタッドボルトを取り付け、ピストンを組み付けたところ。 | |
●ワンウェイクラッチ廻りもハウジング、ギアとも新品に交換。この本体自体が消耗するとオーバーホールキット等を使用してもセルスタート時に発生する空回り等が完治する事はない。 | |
●Pamsピボットベアリングキットにてオーバーホールされたスイングアームピボット。 | |
●フロントフォークにモリワキKYBをチョイスしリアサスにクワンタム。ステムやフレームは修正し、パウダーコートを施した。 車体をたたせる為に元々装着されていたセブンスターを履かせているが、今回アルミリムバフ仕上げに交換。 |
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●エンジンにも火が入り、試乗セッティグ中の給油。 | |
●Z1仕様ではなくさらにKZ1000らしくする方向性で仕上がりつつあるKZ1000。 機能的な部分は殆ど手を入れられたので外観的な完成型も楽しみです。 |
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●ツーリング先の写真等をメールで送って頂いたりと既に慣らしを終えZライフを満喫しているKZ1000。 本来もつパフォーマンスを発揮させるのはもちろんの事、現代の処理技術やパーツを使用しさらに乗りやすく耐久性の高いものに仕上がったと思います。 |