以前から5.6千回転以上回らないと不調を訴えていたオーナー。O/hしないとなおらない事はつたえていたが、実際エンジンをあけてみたら、予想通り消耗が進んでいた。今回エンジンO/hと共にフレームセンターだし等車体廻りにも手を入れた。

入庫、全体的にはとても綺麗。オーナーの愛情が感じられる。 外装、細かい部品をばらし補機類も取り外す。まずはエンジンのカムカバーを開けたところ。
シリンダーヘッドを取り外し分解作業。バルブをガイドから抜こうとするが、若干の曲がりがあったため素直に抜けてくれない。 抜けたバルブ、ガッツリ積もったカーボン...
燃焼室、バルブガイドを見るとオイルで濡れ、オイル下がりをおこしているのがわかる。カーボンも何層にも積み重なってしまっている。 洗浄され交換を待つシリンダーヘッドパーツ。
鏡面研摩を施したリフター。
いつの間にか当り前になってしまったシフトドラム研摩。 左上に見える小さな黒いスプリング、こいつが経年劣化で良く折れる。
完全分解しO/hしたトランスミッション。 芯だし済みのクランクやリビルト済みのクラッチバスケット等組み込んだところ。
腰下が閉まったところ。リフレッシュされた腰下。もう何十年とあける事はないだろう。 1015ccのst-1カムと言った組み合わせ、これが乗ってて結構面白い。
センタースタンドのステーを3枚カット、細かい所だが、余分となったステー類を切る事で仕上がりも変わってくる。 こちらも、もう4本マフラーは付けないぞ仕様のちび三角。
パウダーコートがかかった小物類、ここまでして、車両の一体感を出す。 車体を立ち上げ、エンジンを搭載し、電装類をはわしてるところ。
ハーネスは寸法を車体に合わせまとめる。マフラーを取り付け火を入れる。
アルミリムをバフ掛け仕様。鉄リムっぽい見た目のワイドリムなので結構かっこいい。スイングアームはPAMSクロモリスイングアーム。 外装類を付け、試乗&増し締し、完成。ほぼフルレストアのZ1。状態は新車時以上に戻ってるはず。
納車日、オーナーを待つ幸せなZ ちょくちょく見にはきていたがやはり完成した姿には感動していただけた様子。

携帯で写真を撮りまくるオーナー 居合わせた常連と走りにいく話も盛り上がる。
何年間か不調なまま乗り続けてきたオーナーとZ1。オーナーもZもお互いにストレスを感じていたに違いない。今回、打ち合わせの末エンジンからフレーム足回りに至るまでほぼフルレストアに近い状態まで仕上がった。生まれ変わった新車のような愛車にオーナーも思わず笑みがこぼれる。入庫時とは明らかに違うエンジン&排気音をたてて店を後にした。数十年という長い月日を巻き戻したこのZ1で、これから新たな時間を刻んでいってほしい。