1年程寝かしてたと持ち込まれたMKII。早速見てみるとカムチェーンのテンションが張り切れない....。ハンドクランキング時もおかしな感触だったため、ヘッドカバーを開け、チェックすることに...。

●ヘッドカバーがなかなか外れない。何とか外してみて目に飛び込んで来たものはごらんの浮いてしまっているトップアイドラー... ●よく見ると手前のボルトが折れてしまっていて左側に傾いてしまっている。もともとトルクがかかってなく、動いているうちに折れたのか、もともと折れたまま閉められたのかは定かではないが、発射寸前。
●3番のカムホルダーボルトが浮いているのが分かるだろか。 ●2番のカムホルダーボルトも手で緩む始末...。このまま走り続けていたらと思うと恐ろしい。この辺のトルク管理は重要です。
●全体的に以前の手の入れられ方から腰上は開けてチェックすることをすすめまずはカムを外したところ。 ●続いてシリンダーヘッドナットを緩めているところ。
●シリンダーを抜く瞬間。 ●ピストンとスリーブのクリアランスをはかるが...。調子良くまわしていたら焼き付く程のクリアランス。
●こびりついているガスケットを丹念に剥がし、面をとって脱脂しているところ。 ●腰上OHに伴い。オイルパンを洗浄。
●かなり焼きの入ってしまったリフター側面。オイル管理の良し悪しにも影響されます。 ●フロートチャンバー内のガソリンも腐っていて異臭が...フロートチャンバーを開けてみるとジェット類は腐食しまくっていた。殆ど全分解しオーバーホール作業を行った。
●どうせやるならということで今回使用することになったワイセコピストン1105cc。
MKIIの場合、ボーリングオンリーでここまでのボアアウトが可能です。
●完成までもうすぐ。
●ふとリアキャリパーを見てみると、パットが全然なく、ブレーキの引きずりも発生している。純正リアキャリパーの場合ホイル側のキャリパーピストンが張り付いている事が多い。今回車検も入っていたので要整備。 ●固着してしまっていたピストンを何とか抜きオーバーホールしているところ。ピストンは結構サビが出ていたため表面を研摩しシール類を交換。
単純に車検を通すだけの整備でそのまま乗り出していればそう遠くない将来に間違いなく、エンジンを壊していたと思う。毎日Zばかり触っていると、アイドリング時のエンジン音を一瞬聞くだけで、ほぼ何の異常が発生しているかが分かってしまう。今回もその勘が当たり事前にトラブルを防ぐ事ができた。1年数カ月の眠りから目覚めたZがまた1台無事に公道を走り始めた。