今回シム調整で来店したZ。以前にオーバーホールはしたとオーナーから聞いていた。Zdoc.したところ確かに圧縮も正常にあるし、リークダウンもしていない。しかしハンドクランキングでカムチェーンが張れていないような感触、テンショナーで張っても張り切れない。シム調の依頼も入っていたのでヘッドカバーを開けアイドラー廻りをチェックしたところ、本来一体であるべきアイドラーギアがベアリング部分が外れているのが確認出来た。オーナーに聞くとオーバーホールした際にアイドラーは大丈夫だったのでキャリーオーバーしたとの事、オーバーホールに定義は無いがこういった消耗する部品はオーバーホールする際に一緒に交換するのが望ましい。その時大丈夫でもやはり同じ年月動いている部分なのでどこか消耗してしまったら他も同じぐらい消耗しているのがほとんどです。エンドレスのおっかけっこをしないよう、永い目で見たオーバーホールしましょう。正常とまだ使える、は似て比なる事だと思って欲しい。

アイドラーを交換することになり早速ヘッドを外した。
アイドラー摘出。通常は一体のもので写真右のようには外れないものだけど、実は珍しくない。この状態で走っていたわけだからこのまま走れないことはないが、本来一体であるべき部品がばらけた状態で回転し続けることにより当然加速度的に摩耗は進行し最悪の場合カムチェーンが軌道から外れあまり考えたくない結果となる。
ちょっとカーボンが多いかな。シリンダーヘッドを外すと燃焼室、ピストンヘッドと燃焼状態が一発で分かる。
カムメタルも開けたついでに交換。これで結構ヘッドからの音も静かになったりする。アイドラー類を新品に交換しヘッドを搭載したところ。これで一安心。
ヘッドをばらしたのでオイルパンも洗浄する。ちょっとタイムラグは生じたもののエンジンの消耗部品は今回、全て正常のものとなった。入庫した次の日には納車出来たのでオーナーも喜んで頂けたようです。