新車もしくはきっちり整備されたZがどういうものなのかというのは新車を乗った方もしくはレストア、整備された方にしか分かりようがなく、本来の状態というのはどういうものなのか疑問に思いながら乗り続けている方や旧いからこんなもんだと思い乗ってる方は沢山いると思います。よっぽどハンドリングや車両の押し引きに違和感や、異音等症状が出ないとそれが異常な事に気づきづらく、ベアリング類等はちょっとづつ消耗していくので普段乗っているオーナーは特に気づきづらい。今回のZのオーナーはそういった車体回りの消耗部品を一気に手を入れてあげる事によりリフレッシュさせ、本来のZの乗りやすさを取り戻しました。

●タイガーカラーのSTDエンジンにライトチューニングといった感じのZ1、大事にされているのが伝わってくる。 ●今回交換するパーツ。ステム、ピボット、ホイルベアリングに、チェーン、スプロケット、ハブダンパーと車体回りの代表的な消耗部品たち。
●STDのピボット部のパーツ。マメにグリスアップ等整備をしていないと右の写真のようにアウターのブッシングにスリーブがかじってしまう。当然R回りの動きに影響が出て来てしまうので要チェックな部分。中には異音がし始めるものもある。
●OHと共にニードルベアリング式(ピボットベアリングキット)に交換。ニードルベアリング式にする事により、グリスの保持と耐久性を向上。STDのブッシングタイプに比べると動きもかなり良くなります。
●ステムベアリングもSTDのボールタイプからニードルベアリングタイプに交換。レースとの接点が点であたるよりも面であたる事によりベアリング、レースの耐久性を向上させるといったもの。
●交換前のホイルベアリング、やはり永年使用されて来た事によりベアリングとしての機能を果たしていない状態。これでは車体を押し引きしたときにも重く感じるはず。1番大きいのがスプロケットが付くカップリングのベアリング。
●フロントホイルの交換前ベアリング。こちらも消耗度が激しく、ベアリングだけ回してもゴリゴリとしている。
●それぞれのハブの中をきっちり洗浄、ディスタンスカラーやスナップリング等細かいパーツもきっちり洗浄し、新しいベアリングを打ち込む。ベアリングの打ち方によっても動きがおかしくなったり、消耗を早めたりするので要注意。
●ホイルベアリングが打ち終わり、新品のハブダンパーを入れハブ回り完成。
●続いてチェーン交換。チェーンの油等の汚れでご覧の通りドロドロ。
●Fスプロケットナットのロックワッシャー。ナットはかろうじて緩んでいなかったが、ロックワッシャーのスプロケ側にかかるつめが折れており、緩んでもおかしくない状態。以前整備されたときにナットを締める際おってしまったと思われる。 ●Rスプロケットもだいぶ山がとがって来ており要交換サインが出ている。今回オーナーのこだわりで630のまま新品に交換する。
●積もりに積もった汚れも洗い流し、新品のスプロケット&チェーンが付いた状態。
●カップリングにスプロケットを取付、ホイルを車体に装着。チェーンをカシメて車体回り終了。ご存知だとは思うが新品のチェーンは初期伸びをするのでしばらく走ってから再度調整が必要だ。
●最後にシムクリアランス調整。メーカー指定によると7000km毎にというメンテナンス。シムのクリアランスが適正にとれていないとキャブ等のセッティングも出ないので永くいい状態で乗って行く為には必要となるメンテナンスだ。
●今回整備で入庫して頂いたオーナーは偶然にもPAMSのスタッフと同姓同名という事で記念撮影(笑)。
 整備する内容からもZをとても大事にされているのが伺えます。今後とも同姓同名のスタッフ共々よろしくお願い致します。