穴あけちゃいました... Part2
以前にもフロムファクトリーで「穴あけちゃいました」というコンプリートMKIIのツインプラグ加工を紹介しましたが、今回紹介するMKIIも納車して1年位経ち突然オーナーが「僕も穴あけちゃいますかね?」とツインプラグ化を依頼してきた。もともと車両のスペック自体は前回紹介したMKIIとほぼ同じで、ツインプラグ化したそのMKIIがなにげに気になってたそうです。加えてウェブカムST-1からST-3に変更したりと結局、我慢出来ずにやってしまったオーナー。あの感覚を知るとやっぱり我慢出来ないですよね?
●作業前のPAMS流MKII。大事に手入れされているのが伝わってくる。 ●STDのシングルプラグの状態。
●丁度ばらし始めたところに遊びに来たオーナー。 ●ヘッドを外した状態。カムメタルを見ても奇麗にあたりがついていて交換するのはもったいないが、今回WPC処理を施すこともあり、新品に交換する。
●STDリテーナー。これもインアーシム用のリテーナーに交換。
●ツインプラグのプラグホールが設けられたシリンダーヘッド。上からこうやって除くと穴の数がやたら多く見える。
●プラグホールをもう一つ設けることにより、燃焼室の容積が広がるため、必然的に圧縮が逃げてしまう。そのためシリンダーヘッドの下面を面研し、狙った圧縮比を確保する。 ●無加工で取付け可能なウェブカムST-1からさらにリフト量の高いST-3に変更するためカムノーズの逃げ加工を施してある。
●同時に施されたポートの研磨加工。今回バルブガイドは制作時新品に打ち変えてある為抜かずにぎりぎりまでの研磨を施した。 ●更なるハイリフトカムへと変更する為、バルブスプリングもそれに合わせたものへと交換。ただし、やたらとレートの高いものはPAMSでは使用しない。計算上での要求回転数でサージングを起こしたりしない限り極力フリクションを低減させておきたいからだ。
●バルブスプリングとインナーシム用リテーナーを組み付けたところ。写真右のように真ん中の溝にシムが収まる形状になっている。ハイリフトカム使用時、及び要求回転数の上昇などには不可欠な仕様となる。
●WPC処理を施したリフターとカムメタル。超微粉体を吹き付けることにより表面を硬化させつつディンプル加工を施すためオイル油膜の保持とフリクションロスの減少という効果が得られる。また処理後にもほとんど寸法変化が見られないといった特徴もある。これもパーツの耐久性とフリクションを少しでも減らそうとする為のひとつ。
●シリンダーヘッドを組み付け、ウェブカムST-3を組み付けているところ。リフト量が高いため組付け時にもカムを平行に落とすよう細心の注意が必要だ。
インナーシム化したことにより、シム調整の際にはカムの脱着を要するため正確なトルク管理が必要なカムホルダーのボルト穴には全てヘリサート加工が施されている。
●サブプラグ用のコイルをマウントする後方マウントの加工。この部品はZ1.2用の設計な為、MKIIにマウント出来るようワンオフでの加工となる。もともとDYNA2000エンデュランス装着車なため2.2Ωのコイルがついており、サブプラグに振り分ける為に、1.5Ωのコイルを使用する。1番サブプラグと2番メインプラグ、3番メインプラグと4番サブプラグ間が狭いため使用するプラグコードはDYNAプラグコードのストレートを加工。
●本人たっての希望の三つ又エンブレム、ビレットタイプの三つ又に加工して取り付け、さらに雰囲気をノーマル風に、細かいところだけどこれ一つでまた雰囲気が変わる。乗ってると見えないけど、眺めても楽しいPAMSのコンプリート。
●外装の脇からのぞくプラグコード、迫力あります。今回の作業で「私脱いだら実はすごいんです」的な仕様にさらになってしまいました。 ●穴をあけてしまったMKII。カムメタルやリフター等新品に交換した為、ならしを少々して頂き、ツインプラグを堪能して下さい。