パーツのB/Oとご依頼が重なり、遅延気味だった納期も本来のペースに戻りつつありまして、ご迷惑をお掛けしておりますが加工完了次第納品させて頂いておりますので、宜しくお願い致します。
以前既に手直しがされており、シートリングの交換&加工に手間取りましたが無事修復も完了。シートリング製作交換と同時に焼結合金製SAバルブガイドに交換、チョイスして頂いたバルブはHFバルブ(plus) です。
http://www.pams-japan.com/product/page.php?parts=engine&id=original-valve
ところで、バルブの製作を依頼しているメーカーさんより面白いサンプルを頂いたので少し紹介させてください。
シートリングと接触するバルブの当たり面には高い耐摩耗性が求められますが、基本的には耐熱鋼を使用した上で各種熱処理等を施しその要求に応えています。
更に、条件により当たり面にステライト合金を溶着させ更に耐摩耗性を向上させる場合もあります。例えば私達の知る限り純正バルブでは熱的条件の厳しいEXバルブに同用の処理が施されています。ただしINバルブにはステライト処理は施されておらず、ある程度の距離を重ねると熱的に厳しいEXよりもINバルブの当たり面が凹状に摩耗してしまうのは、そのせいかもしれません。
因みにHFバルブはEXは勿論の事、IN側にもこのステライト合金処理を施しています。
これは鍛造から上がった後当たり面を凹状に加工した物で、実はステライト合金を溶着させる為の溝を作ったものです。
そして画像上がステライトを溶着させた物。比重の重たいステライト合金は、バルブ重量の軽量化には不利な要因となりますが、ストリート用としての用途で考えるとコストを掛けてでも外せなかったメニューです。
更に当たり面を研磨してこの様な状態に仕上がります。
バルブの「ステライト盛りって何ですか?」というご質問も何度か頂きましたので、ご参考にして頂けると幸いです。