おかげ様で好評を頂いておりますHFバルブですが、特徴の一つに「全面削り加工」があります。手に取って頂くとザラついた鍛造肌が無い事に気付かれると思います。では何処をどんな風に削ってんの?という質問も以前何度か頂きましたので画像を交えて。
通常の純正バルブの場合、削り加工が入るのはステム摺動面と45度当たり面で、他は傘裏も傘表も鍛造肌のままというのが一般的です。
ここからはHFバルブシリーズの「削り」工程を少しだけUPします。
傘表の切削工程。黒く見えるのは鍛造肌の部分です。
外周から凹の辺りまで刃が進み、
今度は凹部分を削ってゆきます。
完了。
傘裏の削り工程です。ステム部分をひきながらウエスト部分も削り加工にて仕上げます。
前面に削りが入った状態で、既にウエストも出来上がっています。
向かって右はステライト盛りの後、45度面に削りが入った状態。向かって左は前面に削り加工が入り、特徴的なウエストも出来ています。この後熱処理が入り最終仕上げとなります。http://www.pams-japan.com/diary/?p=10496
前面に削りを入れると何が変わる?という話なんですが、重量の均一化や、軽量化(ウエスト加工含む)、傘表凹部分の容積均一化による燃焼室容積のバラつきを抑える・・・等々ウンチクは色々とあるのですが、これで何馬力も上がる訳ではありません。勿論、体感なんて出来ません。(と思います)
ただ、このHFバルブも含めたエンジンの各主要構成パーツの一つ一つに、小さな拘りや想いを重ねてゆくと、パワーも体感出来る様な違いとなって現れるのではないか?またはフィーリングの違いが感じ取れるのではないか?いやそれ以上に耐久性が上がる!と信じてパーツを造ってたりします。
純正部品を製造するメーカーに、純正以上の品質そして性能を要求しそのリクエストに応えてくれている事に私達も感謝してます。
現在、J系のビックバルブも最終設計段階に入りました。ご期待ください。