継続車検とZ DOCなどの点検でご入庫頂きましたZ1。始動時に白煙が出ているのと、暖機も終わり、しばらく走行して信号で停車した際にも白煙を確認できる状態で、オイル下がり、上がり共に疑いがありました。オーナー様と相談した結果腰上をバラシ点検して行く事に。
早速バラして行きます。トップアイドラーボルトの一本があの手この手でトライしましたが、ねじ切れてしまいました。完全に喰ってしまっているようですので、機械加工で抜き取ります。
ヘッド搭載時のカムラインはIN&EX共に問題無くスルスルと回ります。
バラす前にプラグホールから覗いた際にピストンヘッドが湿ってみえましたが、やはり全気筒うっすら湿っています。ヘッドガスケットはメーカー不明の一枚物で、センターリングは液体ガスケットがたっぷりです。
1番4番のEX側オイルが下がっているであろう痕跡有りですね。
ピストンは純正のSTDサイズでオイルリングは一体型の初期物、当たりは全リング共にベタ当たりでした。
そして2番はリセス付近が欠けてます。
4番ピストンのカーボンを除去するとIN側のリセス付近にバルブとヒットしたであろう打痕が出てきました。首を振った後も見受けられますが、ちょっと不思議な痕です。
全気筒同じ痕跡があります。
ただ、ピストン上面の打痕は、打痕の中も焼け色が付いているので最近着いた物では無いような気がしますが、側面は擦った部分が綺麗なので、現在進行形で擦れている気がしますね。どちらにせよ、交換する事になりそうです。
ヘッドのバルブ廻りを分解した所、ステムシールはプラスチックのようにカチカチになっていて、バルブも一本抜けない状態でした。まぁバルブ廻りはバルブ交換、ガイド打ち換え、シートカットと一通りの定番メニューになりますが、一つ問題が・・。
既にガイドが打ち変わっている痕跡です。しかもヘッド側の入り口が欠けてしまっています。これが3箇所・・・。バルブガイドが燃焼室側に動かないようにする為のクリップが上手く掛らない恐れがあります。そして下穴が心配です。これはガイドを抜いて見ての判断になります。
その後にヘッド単体でのカムラインを点検しましたが、問題有りませんでした。
現状を報告し、説明をしつつ今後の方針、メニューを打合せして行きます。
つづく