新規に制作した、J系シリンダーベースガスケットです。
一見見た目はZ1系のものと違いは無さそうに見えますが、カムチェーンの通る穴部分の形状と、ブロック座面のアウトラインが異なりますので、J系エンジンにZ1系のガスケットを使用するとかなりの高確率で中央部からのオイル漏れが起こりますから、やはり専用品が必要です。
ただ、Z1000J系の場合、現在入手可能な純正ベースガスケットは弊社が素材にしようしているものと同じカーボングラファイトです。
にも関わらずなぜわざわざと言う話もありますが、やはり必要ですので製作しました。
ちなみに、上が弊社で新規にカット金型を製作してカットしたもの。
下側が現在入手可能な純正J系ガスケットです。
見た目はあまり違いはありませんが、実はシリンダースリーブが入る部分の穴の直径がコンマ数ミリ純正品より大きくしてあります。
何故にほんの少し大きくしてあるか。
純正の穴径の場合Z1100GPやGPz1100,Z1100Rの純正スリーブの穴径であれば対応出来るサイズなのでもちろんノーマルエンジンであればそのサイズでも問題はありません。ただ、これを75mm以上のピストンを使用する為に74mm~76mm迄のピストンが使用可能なスリーブに変更した場合、ぎりぎりガスケットが干渉してしまい、その都度穴径を僅かとは言え手作業でカットする手間が発生します。
そこで、穴径を弊社のスリーブ74-76と呼ばれるものを使用しても干渉しないぎりぎりのサイズにしています。
ちなみにこのスリーブ、76mmピストンを使用してボーリングした際にも片側2mm強の肉厚が確保できる設計になっています。
もう一か所の変更点は、ブロックサイド方向の切れ込みを無くした事。
Z1系の純正ベースガスケットもそうですが、この位置にはシリンダーブロックを取り外す際にマイナスドライバー等を挿し込んでこじる為のスリットがある為、ガスケット側も切ってあります。
ただ、この切り欠きがあるとガスケットの剛性が下がり、稀にこの部分からのオイルリークが発生する場合があるのと、更に大きなシリンダースリーブを使用するのに穴径をカットして拡大すると尚更です。
従って社外品の多くのベースガスケットと同様に切れ込みは省いてあります。
価格はZ1系と同じ税別¥1,500/枚です。
ちなみにこちらのものはファイバーコアのもので、厚さは純正同様0.5mm
又、ブロック高さを調整の為の0.5mm,0.8mm,1.0mmのメタルコアタイプも追って用意します。
表面は同様にカーボングラファイトでのオイルリーク耐性を持たせながらクランクケースへの熱伝導放熱性とガスケットの強度を向上させたタイプです。
そちらは税別¥2,500/枚となります。