夜な夜なデーター収集です。
ところで、空冷Z系の油圧がどの程度の物なのかご存知でしょうか。
メーカーサービスマニュアル上では
油温60℃時に3000rpm 0.2kg/㎠です。
しつこい様ですが上記条件で、たったの「0.2kg」です。
これはZ2/Z1から始まり空冷Z系最終となるGPZ1100迄基本的に共通です。
因みに測定条件が若干異なりますが、ZEPHYR 750 の場合、
油温90°時に4000rpm 2.0~2.5kg/㎠です。
空冷Z系が0.2kgのところ空冷ZEPHYR 750は2.0kg以上。
その差は十倍以上です。
では、何故同じ空冷4発エンジンなのにそれ程までの違いがあるのか?
それはクランクシャフトの違いによるものだと思います。
Z系はベアリング支持、ZEPHYRはプレーンメタル。
この違いに関する詳細はまた別の機会に。
さて、話しは表題に戻りますがここで少々油圧計に関して。
画像上、なんだかレトロ感一杯の機械式油圧計でしょう?
その昔、蒸気機関車に装備されていた物を連想させます。別にバイクが旧いからと言って、それに合わせた演出をしているつもりではないんですが、極低圧を測定できる汎用品で入手出来る物がこの画像にある物だった為、これを接続出来る様にして使用しています。
MPaスケール表示ですので0.01=0.1kg/㎠と読んで頂いてもOKです。
(正確には0.102)
そしてこちらが通常の油圧計。たぶんですが、純正部品で油圧計を注文するとコレと同じ物、もしくは似た様な物が届くと思います。こちらはkPaスケール表示ですので、100kpa=1.0kg/㎠です。
(1.02)
さて、では何故レトロで機関車チックな物を用意しているのか?なんですが、そのスケールを見比べてみてください。
先に申し上げました様に空冷Z系の油圧は 油温60°時3000rpm 0.2kg/㎠ です。
ですから、Z系車両をkPaスケール表示のメーターで計測してしまうと、メーターの指針はほんの少ししか動きません。更に言えばアイドリング近辺では殆ど針が振れず、その正確な圧も計測出来ません。
例えば仮にアイドリング時の油圧が0.05kg/㎠だったとしたら、上記kPaスケールでは計測不可領域と言っても良いでしょう。
この為、暖機運転後のアイドリングプラスの領域での正確な油圧測定には、スケール違いのものを使用する必要があるわけです。
このお話は、後日オイルプレッシャーSWに関するお話に続きます。