先日発売開始した、感圧式のオイルプレッシャースイッチセットです。
交換時用のOリングと、接続用のターミナルキットが付属しています。
税別¥4,800となります。
小ロット製作の為、早速オーダーいただきましたお客様もお待たせしておりますが、追加製作で仕上がった分を順次連絡をさせていただき発送しています。
こちらのスイッチは以前の記事にある通り、純正スイッチの蓋が、構造上全開状態でもオイル通路を半分近く塞いで抵抗になってしまうのに対して、オイル通路を完全にスルーにする事で本来あるべき流量の確保を目的としています。
純正スイッチの構造上によるデメリットは、kawasakiの設計側も認識があった様で、後期Z系のZ1100GP及びZ1100R, GPz1100では、この蓋式のスイッチは廃止され、オイルラインのスイッチではなく オイルパンにオイルレベルセンサーを使っての油量アラーム方式が採用されています。
上記の車両は、市販Z系では1,089ccと最大の排気量でオイルクーラーが標準装備されていますが、純正のオイルポンプが信頼性は元々高い事から流れの抵抗になる純正のスイッチよりオイル通路のスムーズ化を優先したものと思えます。
さて、お申し込みいただいたお客様には都度説明させていただいておりますが、ご購入とご使用にあたって何点か注意事項があります。
その1
オイルクーラー未装着車ではアイドリング中にオイルランプが点灯する様になる場合があります。
オイルの通過確認はプレッシャースイッチによる油圧検知で行っていますが、以前にブログ記事にした通り、Z系のオイル潤滑は必要な流量が確保されていても油圧自体はさほど上がらない構造になっています。
特にオイルがスムーズに流れる傾向にあるオイルクーラー未装着のフルノーマルエンジンでは、暖機運転が終わった後はオイル取り出し部分の油圧が低くなりますので、こちらのプレッシャースイッチの場合アイドリング中にオイルランプが点灯する現象が出る事があります。
オイル自体は純正のスイッチ使用時より確実にスムーズに流れる様になっており、アイドリングプラスの回転数程度で消灯する分にはオイルポンプや潤滑系は正常と判断出来るのですが、通常使用でのオイルランプの点灯が好ましいとは思えませんので、基本的にオイルクーラー未装着車は非対応の扱いとさせていただきます。(使用自体は可能です。)
ちなみにオイルクーラー装着車の場合は、余程粘度の低いオイルを使用した場合か、実際に問題がある程オイルポンプが消耗してしまっている場合を除いては、アイドリング中にオイルランプが点灯する事はありません。
理由としては、Z系のオイルクーラーは最低でもシリンダーヘッドの高さに装着されますが、そこまでのオイルホースによる高低差分によるオイル自体の重さがセンサー部にプラスされる事で、油圧がオイルランプのスイッチング圧迄上がる為です。
弊社でも既に様々なZ系用オイルクーラーの装着車にて試しましたが、メーカー問わずポンプ出力に問題が無ければアイドリング中のオイルランプ点灯は確認されていません。
その2
対応出来るオイルクーラー用取り出しブロックに、一部そのままで対応出来ない物があります。
例えば以下の様に、オイルクーラーへの取り出しフィッティングが横方向を剥いている、一般的なタイプの場合は問題はありません。
極一部ですが、オイルアウトプット部分が斜め上方に向かっているタイプの取り出しの場合、赤丸で示した部分が干渉する事があります。
この場合は、オイル取り出しブロックの干渉部を切削加工していただくか、オプションのスペーサーセットを使って僅かながらスイッチを数mm上方に上げる事で干渉を回避します。
オプションのスペーサーセットが必要かどうかは、装着するオイルブロックを購入前にご確認下さい。
スペーサーセットは¥500のオプションとなります。
スイッチアダプターその物をノーマルタイプのスイッチの様なフランジナット形状にすればこの問題は無いのですが、 キャブレター他の補機類との干渉も避けるのにプレッシャースイッチ自体の組み込み高さを可能な限り低くしたかった為、この形状になっています。
ちなみに、センサーのねじ込み部もテーパーネジがなるべく奥まで入る様に設定して、センサーがアダプター上面に一部潜って密着する様にしていますので、よりスマートに見えます。
ちなみに、純正のプレッシャースイッチとの比較高さはこんな感じで、約8~9mm程高くなる程度に収めました。
又、これはあくまで使用時の注意事項なのですが、初期のZ系だとオイルプレッシャースイッチのターミナルが挿し込み端子の為、交換用のターミナルに熱収縮チューブを付属させています。熱収縮チューブは加熱する事で内部の接着剤が溶けて、銅線カシメ部分の耐水性を上げるものですが、作業をするのにガソリンの入ったキャブレターの直下でライターを使う様な事は絶対に行わないで下さい。