弊社で販売しているMOSFETレギュレーターについてですが、時々レギュレーターにコードの件でお問い合わせをいただきます。
お問い合わせ内容としては、元々のカワサキ純正レギュレーターや、従来販売しておりましたICレギュレーターと比べて接続しているコードの内、茶色のコードが無くなっているがこれは大丈夫なのかと言う事です。
結論から申し上げますと、MOSFETレギュレーターには機能上この茶色のコードは接続の必要が無い為、問題はありません。
ご安心してそのまま使って下さい。
ちなみにこの茶色のコード、カワサキZ系の車両だとメインキーをオンの位置にした際に電気が流れる通常”イグニッション電源”や”ACC(アクセサリー)電源”と呼ばれるコードになります。
従来のカワサキレギュレーターの場合、このコードの電圧を基準にモニターして制御する電圧を決めています。
ただ、この茶色のコードはバッテリーからの途中、何ヵ所かの端子やソケット、そしてメインキースイッチの接点等を通って電気が流れます。途中それぞれの接点での抵抗は少なからずあり、特に経年劣化が進むとバッテリー電圧に対して1V近く電圧降下を起こしている場合も少なくありません。
こうなると、茶色いコードの電圧をベースに電圧制御を行った場合、例えば14.5vでレギュレートさせるとバッテリーでは15Vを越える多少過充電状態になる場合もあります。
従来の液入りバッテリーであれば多少の電圧のオーバーシュートでもバッテリー液が多少早目に減る程度で済みますが、昨今のリチウムバッテリー等では寿命にも少なからず影響が出る可能性があります。
この為、MOSFETレギュレーターではこの茶色のコードでは無く、バッテリー電圧そのものをモニターして、それを基準にコントロールしています。
こう言ったタイプは内部検出タイプと呼ばれますが、MOSFETレギュレーターのみならずカワサキ車以外のメーカー用レギュレーターでは従来型のレギュレーターでもこの方式を採用している物があります。
この為、バッテリーに対してはより正確な電圧コントロールが出来る様になっています。
車両で実際に使われている電圧を基準にするか、バッテリーを基準にするかはメーカーや車両ごとに方向性を決められているのですが、使用電圧の上限が明確に設定されている昨今のリチウム系バッテリーを使用する事を考えて、弊社MOSFETレギュレーターではバッテリー基準としています。
これによりなのですが、電装系の消耗が進んだ車両にMOSFETレギュレーターを使用してイグニッション電源で電圧を測る様に電圧計を装着すると、思ったより走行中の電圧が低いとなる場合があるかも知れません。
ただ、これはハーネスやコネクター他の接点でロスが起きていると言う事になりますので、むしろ電装系整備の目安として下さい。