お盆休み前に納車させて頂きましたZ1の製作過程その2腰上パートです。
クランクケースが閉められ腰下が完成。
クランクケース下穴は弊社ESTスリーブ72mm~74mmピストン用にケースボーリングをしデッキ面は最小値面研。コンロッド小端部はベリリウム銅でブッシュを製作しピストンピンとのクリアランスを適正化します。ちなみにピストンピンと小端部のクリアランスはメーカー指定で0.003~0.019mmとなっています。*小端部ブッシュの製作加工にはコンロッド単体での加工となりますので、クランクシャフトは全分解となります。
デッキ面に純正スタッドボルトを取付てピストンをセットします。
今回はPISTAL RACING 鍛造ピストン74mm(1135cc)をチョイス。この写真だとこれが、Zだとは思わないかもしれませんね(笑)
このエンジンのシリンダーブロックは弊社で基準とするブロック高89.55mmより0.6mmも薄くなってしまっているので、ベースガスケットは弊社ラインナップの中で今の所、最も厚い1.0mmをセット。
シリンダーブロックを組み、ハンドクランキングでローフリクションを確認。非常に軽く滑らかに動いてくれます。
ピストンは74mmですが、今回のようにシリンダーブロックが極端に薄くなってしまっている場合など、ピストンショルダーがシリンダーデッキ面より若干飛び出てしまう場合が有ります。ヘッドガスケットのボアセンターはサイドのダウエルピンと、センターのシリンダースタッドボルトで位置決めされますが、長いスタッドボルトの取付角度、シリンダーやヘッドを組む際に多少なりともずれてしまう可能性が有りますので、寸法的にショルダーが出てしまう場合はピストンとガスケットの接触を避けるために、ベースガスケットを標準より厚くする、又はヘッドガスケットのボアを1サイズ大きくするなどの対策が必要になる場合があります。なので今回は圧縮比も加味した上で75mmのガスケットを使用しています。
そしてここも重要なパートのアイドラー関係。テンショナーアーム&アイドラーギアは弊社対策済みのテンショナーアームとライトウエイトアイドラーをセット。アイドラー関係はいろいろと問題が起きていましたので、必ず弊社対策済みの物を使用しています。
この後シリンダーヘッドに移ります。
つづく・・・。