Z系やJ系のシリンダーヘッドに共通で使う事の出来る、同調用負圧取り出しニップル付きのキャブレターインシュレーター。
こんな物を考えていますと、最初に公開したのは既に昨年の4月1日ですので、既に1年半以上を軽く過ぎています。
その後何度か記事にもしていますが、なかなか販売開始にならないのでお蔵入りしてしまったのではと思われている方も多いでしょう。
ただ、実は金型の製作とモールディング試作での現物製作は1年以上も前に済んでおり、形にするのはかなり早期に済んでいました。
何がそれから時間をかけているかと言えば、いざ製品として量産するものの性能検証です。
いくら素材のみでの確認や理論上問題無くとも、実際に製品として形にした場合にはやはり想定外な現象も発生する可能性もあります。
そういった可能性を潰し、確認出来る迄、よく「石橋を叩いて渡る」と言う表現がありますが正直それでは不十分で、工業製品として市販するのであれば通常の使用方法を上回る無茶をやって壊れるところを探ってから安全範囲を探るのが耐久試験です。
この為、成型したインシュレーターを半年近くもガソリンに漬け込み、乾燥させた後にオーブンで加熱する等の単品試験や、実車両に装着して長期に渡っての走行試験を行っています。
こちらのものは先日取り外したテスト品です。
ゴム部分の熱による硬化や、ガソリン成分による極端な膨潤変形も無く、良好です。
キャブレターの挿し込み部分や、ヘッド側に当たるシールリップ部分も弾力とサイズを保っています。
余談ですが、リップ形状と幅はZ1000J系のインシュレーターより外側から当たる様にしてあります。
この為、Z系ヘッドはもちろん、J系ヘッドでポートを大きく拡大してある場合でも、リップがヘッド側にしっかり当たる寸法になっています。
いよいよ発売に向けて、量産の手配に入ろうかと思います。
さて、他にも年末年始頃にはいよいよ発表出来そうなものが控えていますので、楽しみにお待ちください。