昨日の記事、Zシリーズ用オイルポンプのギアとボディ間のクリアランスについての続きです。
ポンプギアの外周方向クリアランスに加えて、軸方向のボディ側平面とのクリアランスも過大になるとそこから圧力抜けが生じ、オイルポンプとしての性能に大きく影響が出ます。
従って横方向のクリアランスについては、ポンプ組み立て時にギア回転が重くならない程度に小さい事が望ましいです。
さてこれがどの程度あるかですが、それも以前に純正後期のものを測定した際の写真があります。
純正オイルポンプは、横カバーとボディ間に薄いガスケットが入ります。
この厚さを考慮して、一度組み立てして潰したガスケットを挟んだ上で横方向のクリアランスを先端の細いシックネスゲージで測定しています。
この方法で測った場合のクリアランスはマニュアル上では記述が無いのですが、経験上ここも初期のZ1系のものは小さく、0.02〜0.03mm。
後期のJ系で最終型のZ1000Pあたりまでのものでは新品でも0.04〜0.05程度でした。
この際、ギアの反対側は壁に当たっている事になりますので、運転中のギアの両サイドクリアランスはこの半分の寸法という事になります。
ちなみにこのクリアランスが0.06を超えて来ると暖機後にオイルが柔らかくなった状態ではオイルランプが点灯する様な事がある等、明確な性能低下が見られる様になって来ます。
さて、理想としてはやはりこの部分のクリアランスもギアが回る範囲で可能な限り小さな事が望ましいでしょう。
エンジンが暖まればアルミのポンプボディは鋼鉄のギアより膨張する為、最小限にしておいても干渉する事はありませんし、その際の圧送時リークが少なくなればより確実にオイルを送る事が出来ます。