弊社仕様のオイルポンプ続報です。
先日は国内の加工メーカー迄赴いて、仕上げ寸法の確認と公差の打ち合わせを行いました。
更に追加での量産加工仕上がり品が今度は弊社に届きました。
これを実際に点検しながら組み上げて、量産品としての品質が維持されているかをテストします。
量産品となれば、公差が重なっても目標とする数値が揃っている事、そして平均した性能をそれぞれが発揮出来ることが必要となります。
例えばですが、エンジンのオーバーホールの場合、各々の組み込みするピストンその他のパーツの個体差に合わせて内燃機加工を精密に施す事が出来ますが、オイルポンプの様に量産した部品を組み合わせて機能させるとなれば場合によってはそれ以上の精度で加工しながらそれを維持する必要があったりもします。
オイルポンプ一つですら間違いないものを製作しようとすればそれなりに苦労するのですが、そういった部品を数千以上も組み合わせる量産車を作るメーカーの技術とはある意味想像を絶します。
精密砂型による鋳造後、素材に熱処理を施して耐久性の肝になる強度と耐摩耗性を引き上げた後に5軸CNCマシンにてボディを加工しています。
Z系車両が生産されていた時代には存在しなかった方法で、 加工コストは高くなりますが、治具へのセッティング回数は1度のみで仕上げる事で、設計基準点からのずれや個体のばらつきを可能な限り小さくしています。
ちなみに昨今のカワサキ車両の部品においては、あのNinja H2,H2Rのタービンブレードが5軸CNCを使用した一体の総削り品です。
毎分13万回転をあのサイズで達成する精度を出す為に採用されたと聞きました。
メーカーにて測定した際と同様、ギアとボディのクリアランスは0.02mmアンダー。
ギアサイドのクリアランスも最小値で仕上がっています。
さて、量産品の実車装着試験です。
試作品で採ったデータ同様の値が安定して出れば合格。
販売に向けて最終段階となります。