弊社のステップセット、バックポジションキット用に製作した、エンジン側のチェンジロッドに取り付けるチェンジボスです。
汎用性を高くして、ストリート向けにレバー比を変更出来る設計もあって、弊社用のみならず従来のバックステップ等にも流用される事が多く、現在迄にかなりの数を出荷しています。
素材と製法は鍛造アルミです。
この部品が純正でアルミで作られる様になったのは、Z系の時代よりかなり後のレーサーレプリカがスーパースポーツと呼ばれる様な車両になってからで、20世紀時代ものは殆どが鉄です。
クラシックなスタイルのZ用ステップに使うのに、鍛造で通常通りに使うには十分な強度があるとは言えアルミを使ったのは、万が一に取り付け時の不備があった場合や転倒時に大きなストレスがかかった場合にはこのチェンジボス側が破損する様にして、エンジン側のチェンジシャフト部を痛め難くしたかった為です。
又、シャフト部分のスプラインに対し非常に精密に加工してありますので、正常な状態のシャフトであれば滑る様に挿入可能です。
例えばこれでシャフト部分が痛んでいる場合。
ボス側がスチールだと圧入する事でシャフト側のスプラインを更に酷い状態に潰してしまう可能性があるのですが、アルミ製だと最悪でも痛むのはボス側のスプラインで済みます。
又、クランプ用のボルトを6角レンチを使うキャップボルトを使わず、あえて普通形状のボルトとワッシャーにしてあります。
実はこれにも理由があり、キャップボルトを使うと万が一に溝位置が合わない様な状態でも工具でボルトを押し込みながら無理に入れてしまう事が出来る為、やはりシャフト側を破損させてしまうのです。
通常のボルトに横からレンチを使用する方法にすると、最初は指で回して入れる事になりますのでそういったリスクが下がります。
従って、基本的にはボルトがスムーズに入る事を指で回して確認し、最後にレンチ(メガネレンチが望ましいです)で締め付けて、回転方向のガタを無くして下さい。
ボルトはしっかりと締め付け出来る様にクロモリ系の高張力のものに黒メッキをしてあるものですが、極端に強い力は不要です。
12.0~15.0Nm(1.22~1.53kgm)。目安としては手首から先の力のみで、キュっとしてやる程度迄にしてやるのがこの6㎜太さのボルト締め付けの基本です。