以前にも何度かに渡りご紹介したオリジナル製作バルブの完成が近づいてまいりました。既に実用テストはクリアし、最終形状と表面仕上げの変更を細かく行っているところです。
こちらは試作品なのでコッター溝が切られていませんが、この仕様では傘径をノーマルバルブと同一として純正品のリプレイス用として使用して頂けます。
材質はINとEXでそれぞれ異なる条件に合わせた特殊耐熱鋼を使用し、専用の鍛造型から立ち上げた製品になります。
そして材料の調達、鍛造、削り、熱処理の全てを日本国内で行っています。
国産2輪&4輪その他の純正バルブ及びレース用バルブを製造する国内メーカーにて、設計の相談から製造までを一貫してお願いする事が出来ました。
そして特徴の一つでもあるステムから傘表に掛けての形状。腰のクビレに例えて「ウエスト形状」と言われている物です。ステム径はノーマルと同寸としながらも、ステム先端の径を若干絞り込む事によって、フロー率の向上を図っています。
また、純正ノーマルバルブの場合鍛造後に削り加工が入るのはステムとフェイス面のみとなり、その他は鍛造肌にタフト地(熱処理)のままとなりますが、今回製作しているオリジナルでは傘表~ウエスト部分そして傘裏まで、鍛造後にステムだけではなくバルブ全体に精密切削加工を施している為、重量のバラつき抑え、更に表面粗度も整える事が可能となりました。
こちらの画像、フェイス部分が奇妙な形状だと気付かれた方もいらっしゃると思いますが、今回のオリジナルバルブ製作にあたり耐久性を向上させる為のひと手間を更にかけ、ステライトという合金をフェイス部分に溶着させる為の前段階です。
通常ノーマルでは熱的な条件の苦しいEX側だけに施される処理です。ご自分でエンジンを何度か渡り開けられた方の中には、なぜIN側のフェイス面が酷く陥没している様に摩耗しているのか?と疑問を抱いた事があるかもしれません。
ちょっとピンボケですみません。こちらはステライトを溶着後の画像です。結構コンモリと盛り上がっていますね。そしてここから本来の形状・寸法まで削り仕上げてゆきます。これを今回はEXだけではなくINにも施しました。各部の仕上がり精度も全て純正品を大きく上回るレベルを求めています。
純正以上の品質と性能で価格は純正以下を、そして大幅な耐久性の向上を目標にしています。
ご期待ください。