当社ブログに登場しているフルコンインジェクション化テスト車のZ1000JとKZ1000
両車共にスロットルボディはカワサキ純正の同じ38φのものです。
実際Z系ではそれなりのチューン車でもこれで十分で、J系でもストリートレベルであれば大排気量のハイチューン車を除けば結構なところまで行けます。
例えば当社のJの場合、フルノーマルエンジンの純正BS34キャブをインジェクションに変更した暫定セッティングで約10馬力の向上がダイナモ上で確認出来ましたが、これは4mmのスロットル径の差がかなりの部分を占めるのでは無いかと推察しています。
但し、当然Z用では無いのでポートピッチが合っていません。
それをZ系のヘッドに合わせられる様にアダプターを製作して装着出来る様にしています。
スロットルボディの方が狭いので、アダプター部分で外に広がる様に斜めになっているのですが、元々Z系のポート自体が内側から外側に広がる様になっています。
燃焼室に向かって4気筒共に均等に平行にポートを配置すれば当然効率も良いのですが、空冷DOHCに大きなヘッドのに合わせるとキャブのピッチが広がって ライダーの乗車体制に影響が出るのを嫌ったという理由でこうなったとか、車体のデザイン上絞ってある部分をこれ以上広げたく無かったと言う説もあります。
ちなみにライダーが寝そべる様にする乗車姿勢上、幅広なキャブが邪魔にならない本格ドラッグレース用の製作ヘッドはとにかく効率重視、燃焼室迄真っすぐ平行にポートが繋がっていたりします。
逆にゼファー等のザッパー系エンジンでは、GPZ750時代位迄キャブピッチは広くてインシュレーターは真っ直ぐだったのが、ゼファー750になるとショートピッチでインシュレーター部分で広がっていく様になっていたりします。
デザインやキャブ部品の共用化等の理由はあるにしても、空冷の4気筒に関してはポートがそうなっていても限界性能を考えなければさして大きな問題では無いとカワサキは判断したのかも知れません。
さて、話を戻しますが、最近は様々な手法のインジェクション化で新しいセッティングの道を探そうとしているショップやプライベーターが増えて、それに興味を持っているユーザーさんも多い様です。
その中でも最もハードルが高いのが、Z系ピッチの市販品の無いスロットルボディのヘッドへの装着とも思われますが、当社でやっている方法でとにかく同じ様に取り付け出来ればとおっしゃられる場合はご相談に乗れる様に準備を進めています。