オイルリークを直す為入庫した1100R。
シリンダー周辺からのオイルリークに悩まされ、相談の後に先ずはヘッドそしてシリンダーブロックを降ろす事に。
空冷最強Zでもある1100Rですが、J系に似たエンジン外観とは裏腹に、ヘッドそしてピストン、クランクシャフトと全て専用設計部品です。
先ずはヘッドカバーを開け目視範囲での点検。カムも空冷Z系では結構なハイカムです。
さて、この画像を見て何かお気付きでしょうか?
本来は全て同じ専用ボルトでカムホルダーを留めているわけなんですが、その中に異なるボルトを使用されている場合経験上そこに何か問題があるケースが殆どです。上の画像で見ても1本だけ明らかに短いボルトが使用されています。
そして他箇所でも全くトルクが掛からない、または既に掛かっていないボルトが数本。ちょっと恐い状態です。画像では、ヘッド側のアルミがむしられボルトに巻き付いています。元々Z系に比べて少々弱い気がするJ系ヘッドでは、特にこのトラブルの発生度合が高い傾向にあって、OHまたはハイリフトカムを使用の際には予めヘリサートで強化しておく事をお勧めしています。
ピストンは既に純正OSになっていました。
シリンダーベース付近からのオイルリークは、ここが原因だと断定。画像では上手く伝わらないと思いますが、位置決めのPINにガスケットが一部噛みこんだ状態で組まれていました。
これではラインを流れるオイルのシールは出来ません。
ピストンの状態は悪くありません。少々オイルを食った様なカーボンの蓄積が見受けられます。
ベースガスケットを剥して清掃、そして各部のチェックを進めます。