FCRキャブのセッティングとZ DOGのご依頼でご来店頂いたR2。当店では初見でしたので、タペットクリアランス調整など定期点検的なメニューも行いつつバッチリセッティングを・・・のはずでしたが。ライトな腰上O/Hをする事に・・・。経緯はこちら
オーナー様に状況を説明し打合せの結果、安心して長く乗れるようキッチリやる事になりました。
バルブガイド打ち換えと同時に純正新品バルブに交換、シートリングカットと行くはずでしたが、シートリングの厚さが限界に達していてバルブがかなりヘッドに潜ってしまっていました。その為燃焼室も広くなってしまい、実行圧縮圧力が低下し（10ｋｇ前後）パワーダウンと言う結果に。シートリングも製作打ち換えでした。
IN&EXポートを流体加工する事に。純正の鋳肌からキレイな流線に。
シリンダーは純正スリーブを73ｍｍまでボーリングしてしまっているので、厚さは肩肉1.5ｍｍ程しかありませんでした。組み手や仕様により考え方は違うと思いますが、PAMSでは72ｍｍまでとしています。ESTスリーブをSETし上下最小値面研。
ヘッド廻りの部品は全て純正でリフレッシュ
ピストン自体の程度は良かったので、スカート部をコーティングしリング交換。
カムラインがカナリ渋く、最悪ラインボーリングかと思っていましたが、カムシャフトのラッピング（精密研磨）でクリアできそうだったので、今回はラッピングで。
組み込みバルブタイミング、バルブクリアランスの調整と思った所で・・・。
シートリングを製作打ち換えした事によりバルブが正規の位置に下がり、燃焼室容積を測定し、希望の圧縮比にするためにヘッドを最小値より少し多く面研した結果・・・。
ハンドクランキングでかすかに？？と言う感じが、ピストンとバルブが若干ヒットした痕跡が・・・。クレイを入れてサイド組み付け、バルブクリアランスを広めにとりバルブタイミングを合わせ確認を繰り返し、バルブリセスを掘る量を決定。サラッと書きましたが、結構な手間です・・・。（苦笑）
普段あまりチョイスしない組み合わせでしたが、この組み合わせは当たるんですかね？？
リセスを掘った事により発生した当初の圧縮比との誤差はガスケットの厚さで調整しリカバリー。豊富なボア径、厚さのラインナップが弊社のガスケットの強みの一つでもあります。
加工が終わったピストンを組み付け、再度バルブクリアランスを調整。ST-2カムなのでインナーシム化してあります。これは弊社商品で地味にヒットしている「カムシャフト セットアップツールボルトSET」カムホルダーボルトのネジ穴を傷めずに脱着が出来ます。最後に一本ずつ正規のボルトに変えていきます。
点火系はウオタニSP2-PAMS.verを、MOS-FETレギュレーター＆SHORAIバッテリー、純正流用強化セルモーターをセットし、FCRはスピゴットに負圧取り出し加工をして同調を取りセッティング。やっと完成です。
冷間時の実行圧縮圧力は14ｋｇ前後と2カムにしては申し分ないエンジンに生まれ変わりました。
慣らし運転後の本セッティングが楽しみです！オーナー様くれぐれも安全運転で！
引き続き慣らし頑張って下さい！ありがとうございました！！
