本日13日~15日迄夏休みとなっておりますPAMSですが、休み明けにはどうしても納車しなければならない車両がありまして、夏休みの宿題をこなすかのごとく竹部と2人で休日出勤しております。やっているのはインジェクション化にする為の作業です。
画像はECUその他との接続に必要な専用ハーネスの製作途中の物。インジェクション化の為の空冷Z専用ハーネスなどは存在しませんから、全て手作りです。ECUメーカーより分けて頂くハーネスはあくまでも汎用物で、一度全てバラし要らない配線を極力カット、更に各部への分岐と取り回しを考慮して最適な長さとデザインに作り直してゆきます。インジェクション化の現状としては、実にこのハーネス作りの工程がかなり大きなウェイトを占めるものとなります。
本来はキャブ車の空冷Zですから、ECUは勿論の事必要なハーネスも燃料ポンプもレギュレーターその他センサー類等、全て元々は無かった物。従ってそれぞれの配置や配線と配管はゼロから作りこんでゆく必要があるわけです。
これらの作業はそのままパフォーマンスに直結する物ではありませんが、見た目の美しさは勿論の事、それは整備性の向上や万が一の時トラブルシュートのし易さにも繋がりますから手は抜けません。
専用のピックアップコイル&プレートとピックアップローターです。こちらも使用するECUに合わせて専用品を製作しました。
スロットルボディはカワサキ純正品を流用。専用アダプタープレートを製作し、ボディ側には加工を施す事なくボルトオンにて装着が可能となりました。
夏休み中は御来客も無く電話も鳴りませんので、普段よりも作業が捗ります。
おかげ様でインジェクション化にご興味を持っていただいたり、そのお問い合わせも増えて参りましたが、以前に比べれば総体的なコストは落ちてきたものの、単にキャブレター交換をする際に必要なコストと比較すれば、未だにその差が小さくないのも事実です。割高になってしまうのは、上記した様なキャブには無い作業やパーツがどうしても必要となるからです。
時代の流れや方向性といった側面も踏まえた上で、この先長く空冷Zを楽しんでゆく事を考えると、各種キャブレターと言う楽しみ方とは別に、将来的にはもう一つインジェクション化という選択肢が在っても良いのではないかと思っています。
さて、今日明日で形にした後に火入れそしてシャシダイに載せセッティング作業に移ります。