キャブレターセッティングをしながら、その横ではインジェクションのセッティング作業。
同じエンジンで有る限り、アプローチが異なるだけで求める答えは全く同じです。キャブであればニードルを変え、ジェットを変えパイロットをスローを調整してという作業をPCやタブレット上で操作を行うという違いです。
大人が趣味として乗っているバイクですから、数値や性能だけでなく好き嫌いがあって当然です。理屈だけで楽しめるものではありませんし、僕らとしてもそのどちらも味わい深く仕事として趣味として、そのどちらからも甲乙の付け難い物というのが本音です。
キャブを長年触ってきたからこそインジェクションを理解する事ができ、またインジェクションを勉強する過程において、それまでキャブで培ってきた物が数値化され更にデータとしてキャブセッティングにも活かす事ができています。
キャブであれば何となく経験による勘に頼っていた曖昧な部分は、インジェクションでは白黒ハッキリ出てしまいますが、やはり最後は実走行におけるフィーリングを頼りにセッティングを詰めてゆくのはキャブレターと同じです。ダイナモ上だけでのセッティングでは、やはり完璧なセットにはならない事が多いです。
勉強のつもりで始めた空冷Zのインジェクション化も、思いの外興味を持って下さる方が少なくない事に驚いています。
今はカワサキ純正スロットルボディの流用バージョンと海外のスロットルボディーメーカーでワンオフさせたシャフトレスタイプの比較テストを行ったり、また使用する補機類を始め、要となるECUも数メーカーに敢えて振り分けて比較を進めています。
各種キャブレターと更にもう一つ選択肢が増やせる事だけでなく、インジェクションセッティングから得られたデータをキャブレターにフィードバックしてゆければと思っています。