現在エンジンリビルト&チューンで入庫中の750A5に装着されていたTMキャブ。
一昔前はCRとその人気を二分していた時期がありました。CRに対してこちらはフラットバルブという特徴を持ち、その構造ならではの美点も少なくありません。
例に漏れず良い意味でのミクニらしい男前なフィーリング。スクエアに直立したそのデザインもまた男っぽいですね。
その構造から、後にデビューしたTMRと比較して「ハリツキ」やすく、その為に装備された強めのリターンスプリングによるスロットル操作の重たさ等が伝えられるキャブですが、キッチリとセッティングされ消耗も少ない「健全」なTMは、言われるほど重たくも感じないスロットルとスムースな開閉を実現します。ただし巷で言われるほどという注釈も付けくわえておきますね。笑
キャブレターは消耗品です。特にフラットバルブ系とカテゴライズされるキャブレターはその度合が激しいと思って間違いありません。
あのキャブは乗り易く、どのキャブは乗りにくい等と評論されますが、どのキャブレターも一長一短。それよりも乗り方や好みの違いの方が大きく、更には消耗の進んでいない完動品同士で比較しないと意味がありませんよね。
ある程度の消耗ならリビルトで巻き戻しも効きますが、度を越した消耗を抱えたキャブレターは、場合によって新品へと買い換えた方が結果的に無駄な出費を抑えられる事も少なくありません。
セッティングが出ないと悩む前に、中古キャブレターまたは長年乗りっぱなしで今日に至った物の場合、まずはキャブ本体の消耗度合を確認する事をお勧めします。