時々記事にはしているのですが、過去記事に埋もれてしまいますし参考の為として。
バイクに新規の電装品を取り付けしようとしたり、ハーネスのメンテナンスを行おうとすると、端子のかしめ取り付けをする機会が結構あります。
特にこの写真の様に、さほど電力を消費しない電装品(セキュリティやECU)等の場合は、電源線はこの様に細めだったりする場合も多いです。
この太さは車両用では最も細い部類の0.3SQサイズと呼ばれるものです。
これ位になると、バイクによく使われるタイプのかしめ端子をハンドツールで作業した場合、銅線が細いがゆえの圧着力不足を招きやすくなりますので、先端を折り返して圧着部分の接触面積を稼ぐ方法が有効です。
銅線部分をかしめたところ
ここは圧着端子が破損しない程度に強く圧をかけます。
被膜部分をかしめる際の注意ですが、必要以上の圧力で強くやり過ぎると内部の銅線を切断してしまう場合があります。
こちらはあくまで配線被膜部分を押さえるレベルの圧着に留めるのが基本です。
又、旧車を含み自分で車両の電装系をメンテナンスされる機会の多い人は、圧着工具は多少グレードの高いものを1本持って置く事を勧めます。
写真は当社でも現場で使っているものですが、精度も高く、リンク構造で軽い力でも確実にかしめ作業が行えます。
このレベルの物で6~7千円程度ですが、電装トラブルで引き取りを依頼する羽目になるリスクを減らし、確実に作業を行えると考えると、他の工具に比較してそれほど高いものでも無いかと思います。
さて、端子の圧着部分に半田付けを施して導通を完全なものにされたいという人も多いのですが、当方は余程の大電力が流れる場合を除いては特にコネクター部分の圧着端子に半田付けは行いません。
端子と銅線の導通を完全にしても、コネクターで端子同士の接触抵抗がある場合は効果が薄く、更に半田付けで熱する事による周囲の銅線表面の酸化腐食や、エンジン振動が伝わる事によって半田部分が折損するリスクの方が大きいと考えての事です。
例外的に、新品コード同士の接続や丸型端子へのかしめ部分には半田付けする場合はありますが、作業箇所前後を固定したり必ず収縮チューブでカバーして振動対策を行います。