キャブレター車をEFI化する際にはスロットルボディにインジェクターやフューエルポンプはもちろんですが、それらが使う電力を安定供給するのにリレーハーネスを使用します。
例えば、実験車両である為にあれこれ仕様を変更する頻度の高い弊社のZ1000Jでは汎用のリレーをステーで並べて配線を組んでいます。ただこの方法は増設や変更が容易な半面、別部品でヒューズホルダも必要な事と、回路数が増えると結構スペースを食いますから、必ずしもお客さんに渡す車両向けの方法ではありません。
配線の振り分けをレイアウトを綺麗に作ってやるのもセンスの見せどころというか、武骨な感じが試作機と言うかレーシーな気もして嫌いでは無いのですが。
ちなみに4輪のEFI化用にリレーヒューズケースというものは結構市販はされています。フルコンメーカーでもハーネス組みされたものをリレーボックスをオプション扱いで取り扱っているところもあります。但し、防水性や耐震性は考慮されていなかったり、数十年前からある旧規格のリレーを使うタイプの為に大型であったりして、バイクの場合はまず置き場に困ります。
そこで2輪に適したサイズの防水型リレーヒューズボックスを用意してみました。
15mm角程のマイクロリレーを使用するタイプなので、幅は50mm強です。
ハーネスを製作しなければならないのは変わりませんが、ボックス背面部分からの挿し込み部も防水キャップの入る優れものでIP67規格、密閉性が高い為に蓋をかぶせる際にはプシューっとシール部分から空気が抜ける音が聞こえる程です。
水の中に放り込んでも容易に浸水は起きません。
この通り、かなりの小ささでスマートに収まります。
これぞプロダクションモデルという感じですね。
それでも写真下側を通る配線を纏めるのに一部メッシュのチューブを使っているのは、取り出した配線の束を曲げやすいのと装備拡張の為に電源を取ったり信号線を追加する等の加工が容易に出来る様にする為だったりします。