Z系J系のピストン設計を行うにあたって、ピストンピンの高さや位置を正確に測るのに、多くの純正ピストンを様々な方向からカットや穴開け加工をしました。
ちなみにこれはZ2
Z2は排気量の割に圧縮比が高い事もあり、Zシリーズでは大きくピストンヘッドが大きく盛り上がっています。その為リブ構造になってはいますが、薄い部分でも6mm近くの厚さがあります。
KZ1000
Z1000R
年式を追うに従って少しずつ薄くはなりましたが、それでも5.5~6mm程度です。
ゼファー1100の純正でもやはり6mm前後ありますので、この位が空冷鋳造ピストンの基準なのでしょう。
ちなみにPistal Racing Zシリーズ用ピストンはRR( ロールスロイス)合金と一般に呼ばれる2618系鍛造材を使用していますが、この素材は強度はもちろんの事熱疲労や高温時の強度低下率が非常に低く、鋳造以上の強度を確保しながら薄肉化が可能です。
これによりSTDのZ系に比較して大幅に圧縮を上げながらもトップ部厚さは3.9~4.3mmに収めています。
バルブリセス部分においては3.5mmと、更に薄く出来ているのがわかるでしょうか?
参考迄に、スーパーチャージャーの過給圧に耐え、326馬力を発生する為に鍛造製法に近い圧力鋳造製法が採用されているとされるNinja H2Rの76mm純正ピストンのトップ部厚さは約4.7mmとなっていますが、これはどこまで薄く出来るでしょうか。