J系シリーズ用の設計図面が上がりましたので、3D化して仕様通りの形状になっているかの確認と検討中です。
ちなみに弊社のJシリーズ用ピストンは、初期のZ1000J系はもちろんの事、燃焼室形状やエキゾーストバルブ位置が少々変化した後半のZ1000P系シリンダーヘッドにも対応可能な様に設計しています。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=10664
(J系エンジンの燃焼室形状)
この為J系シリーズで後期のシリンダーヘッドを使用した場合に、ピストンヘッドが燃焼室にヒットしたり、エキゾーストバルブがピストンのバルブリセスの外に当たると言った心配がありません。
これは72mm、JやR用にボアアウトのみで使用出来る様にと考えました。
カムシャフトはGPz1100系の純正カム並みのスペックのものが使える様にリセスの深さを決定しています。
基準エンジンの場合で圧縮比は11.0:1としていますが、バルブリセス深さを絶妙にしてあるので、その分ピストンヘッドが圧縮比の高さの割にさほど高くありません。
Pistal Racing のZ系用ピストンの現物を見た人の多くがおっしゃっていただくのが、
「本当にこのピストンヘッドの高さでそんなに圧縮があるのですか?」
なのですが、バルブリセスの掘り込みをバルブヒットのリスクが無い絶妙な深さに適正化する事で、圧縮を保ちながらフラット化する事が出来ています。
Z系同様、ピストンピン部を左右で繋いだダブルブリッジ構造です。
ピンボス部の剛性を大幅に向上させると同時に、ピストン内面にの空気の流れを起こさせる事で冷却効率を向上させます。
こちらは74mm
圧縮比は11.5 使用可能なカムシャフトはリフト量10mmを越えるハイチューニング用となります。
Z系J系に通じて同じですが、鍛造の高強度素材を使う事を前提としていますので、ピストンヘッドの厚さは薄く仕上げる事で頭側を軽量化し、短くしたピストンスカートに対しての重量バランスを最適化しています。
ピストンピン部の両サイドから上方に向けての3次元マシニングが良くわかります。
形状及び数値に問題が無ければ、これからファーストロットの製作に入ります。