先日何枚かの写真のみを公開した、カムシャフト
http://www.pams-japan.com/diary/?p=11669
実はまだ完成品では無く、量産前に形状確認と設計仕様通りのカムプロフィールになっているか、加工プログラムの確認の為に少量のみ製作したものです。
熱処理等も施してあるので既にエンジンに組み込んで実用可能なものですが、更に表面には現代レベルの耐摩耗処理を施して長期使用に対する耐久性を追求したいとも考えています。
製作元はメーカーのご意向により公開を控えざるを得ないのですが、四輪二輪の各メーカーの純正部品からレース用カムシャフト、各種の航空機用のクランクシャフト迄を試作から量産するファクトリーにて行っています。
意外に苦労したのは、Z系に装着する為のメーターギア部分、このサイズのDOHC用カムシャフトを装着するエンジンで、タコメーターが機械式の車両は1980年代以降には殆どありません。
この部分を切る為には専用の加工ジグを製作する必要がありました。
純正のカムギアが、ガタも無く、きつくも無く、スムーズに乗る事を確認中
精密に加工した中空構造です。
中空カム自体は、現行のスーパースポーツや量産4輪車でも採り入れられている構造ですが、量産の場合は多くが鋳造等の成型時に同時に加工されます。
あえて精度を出すのに、機械加工にて仕上げました。
本量産時には更に中空穴を拡大してやりたいところです。
歪み等の公差を確認中
ダイヤルゲージの針はピクリとも動かず、測定子先端はカムの上を滑って行きます。
開発コードが刻まれています。
ちなみにSはSPORTSの意味
実は試作はこの一種類のみでは無く、現状では以下の3種類のコードナンバーにて各種のキャラクター付けを行い、ラインナップを決めています。
T (Touring)
E (Endurance)
S (Sports)
更にそれ以上のハードチューニング用や純レース用に準じるタイプも企画中です。