Z系車両用のメインハーネスは、各年式仕様向けに各社様々なものがラインナップされています。
弊社でも車両整備時には当該車両向けのものを使う場合が普通なのですが、整備車両用に設定が無かったり、ハンドルスイッチ等を含む電装系全てを交換となった場合はFX1用のハーネスを使用して、それに合わせて電装系を組む場合がたまにあります。
何故にFX1用かと言えば、Z系最後期の車両用でシンプルかつ最も耐久性があり、ヘッドライトのオンオフも出来る様になっているからです。
まずFX1迄のハーネスには点火系用の配線が含まれていません。現在使われているZ系は、点火システムを社外品に換装されている場合が多いので、点火系の電源取り出し以外は不要です、
又、Z1~Z1000A1,A2,Z1-R1型の様に純正レギュレーターとレクティファイアーが別体ゆえにコネクターの並ぶジャンクションハーネス構造では無く、シンプルになった為、コネクター接点も少なくトラブルや劣化もし難くなりました。
メインハーネスの消耗はコードの銅線そのものではなく、コネクター端子の接点や端子のかしめ部分で生じるのが殆どですので、コネクター数が減る事で長年使った際にも耐久性が上がります。
例えば配線改造時にも、いくつかの部分については回路図を確認しながらの加工が必要な場合はあります。
例えば、写真右側のインジケーターソケットの場合、コネクターの規格はZ1やZ2と同じですが、コードの配列が異なります。ただ、カワサキの場合はコード色が同じであればその機能はほぼ同じですので、割と容易だったりします。
ちなみに、上写真の右側のコネクターはキーシリンダー用のものですが、z1系のものより端子の大きな250規格のものが使われていて、容量不足による発熱や焼き付きを対策されたものと思えます。
唯一FX1系で耐久性に劣ると言うか難があるのはこのジェネレーターコイル(ステーター)の3相に接続される部分。
ここは周囲温度が高い上に高い電流が流れる為、数千kmでも接続端子部分に焼けが起き易いので、ステーターコイルからの取り出しコードに直接コードをかしめて半田付けし、直接レギュレーターに接続する加工をする場合が多いです。
その場合は、この黄色のコード3本は使っていません。