kawasakiのZ系、J系に乗ってるオーナーには非常によく知られている、ジェネレーターカバーのコード取り出しグロメット部分からのオイル漏れ。
この車両は結構以前ではあるものの、取り出し部分の対策を含めて修理された様ですが、最近また漏れる様になったという事でジェネレーター周りの点検も兼ねての修理です。
以前に補修された際に使用されたエポキシ接着剤は問題無くシールを保っています。
それではなぜ漏れたかと言えば、裏返して見るとグロメットのゴム自体が硬化していくつものクラックが入っています。
ゴムに鋳こまれている鉄のリングの部分迄クラックが入っていますので、ここから滲み出したものと思われます。
内側には2つの小さな窪みがありますが、これは成型時に鉄リングの位置を定めるものと思われ、クラックはここまで繋がっている様です。
以前の修理時には、この部分のグロメットがアフターマーケット品として存在しなかった事と、純正グロメットのゴム品質は当時のものと考えるとかなりの高品質なニトリル系だったので、再利用して作業を行った様です。
ただ、更にそこからの年数による長年の熱や、ブローバイガスに含まれるガソリン成分等の影響でしょうが、純正のグロメットは収縮して漏れる事はあっても、クラックが入る程硬化する事は稀ですので、もしかすると何かしらの添加剤かオイルの種類の違いによるものがあるのかも知れません。
今回はステーターコイルに繋がるコードを耐熱耐ケミカル性の高いもので作り直し、グロメットは昨年弊社からデリバリーを開始したバイトン製のものに交換して修理しました。
こちらのグロメット、純ガソリンに2週間漬けた上にオーブンで焼いてもサイズ変化や硬度変化も容易には起こさない物ですので、今後はさらに長い年数持ってほしいものです。
形式の古いバイクとは言え、オイルが漏れて望ましいという事はありませんので。