伸びてしまったカムチェーン交換作業で入庫して頂いたZ1です。
先ずはヘッドカバーを開け上死点位置からバルブタイミングを確認。
コマ飛びやセット間違いによるバルタイの狂いはありませんでしたが、お客様が気にされていた様にカムチェーン伸びによるバルタイの遅れが目視で分かるレベルです。カムノーズ位置ですが、IN側とEX側の沈み込み方に大きく差があるのがわかります。度数にすると結構なズレですから当然性能にも直結します。
基準点からキッチリ28Pにセットされ間違いはありません。腰下を割らずジョイントリンクカムチェーンを使用しチェーン交換のみという予定でしたが、カムを外した所で少々気になる部分を見つけ、急遽ヘッドを下す事に。
画像では見えませんが、特に2番/3番にカーボンの蓄積がみられます。
燃焼室側。1番/4番と2番/3番の状態が大きく異なるのがわかります。
うっすらと全体に付くカーボンならまだ良いのですが、この手のデポジットは走行中に剥がれてそのまま外へ出てゆかずに、バルブとシートの間に挟まり密着不良を起したりする事も考えられます。
こちらが3番です。オイル侵入が発生していたり、また燃調が合わず異常燃焼を繰り返していたのかもしれません。
見た目に悪いだけではなく、性能にも悪影響を及ぼす可能性のあるカーボンデポジットでしたのでサクッと除去。。。(サクッっとは行きませんが)この後最後に洗浄です。
あれだけのカーボンが蓄積していたわけですから、バルブとシートリングの状態、またバルブの傘裏等に付着したカーボンも気になりますので分解です。
こちらはEXバルブ。当然なのですが、剥がれたカーボン等はEX側へと出て行く方が多いでしょう。やはりアタリ面の状態は宜しくありません。
こちらはIN側です。アタリ面の周囲にカーボンは付着するものの、45度面の状態はEX程悪くはありません。
分解そして粗洗いが完了。バルブガイド&バルブは以前に交換されている様で、ガイドとステムのクリアランスは問題ありません。キッチリとカーボンを除去し、摺合せ作業で本来の状態まで復活出来そうです。燃焼室の肌も荒れておらずキレイです。
明日は更に洗浄を繰り返し、バルブガイド/ヘッド間からのオイルリークが発生していないか時間を掛けレッドチェックを行います。
~続く~