今日は丸一日、エンジンの分解&洗浄に明け暮れていました。
当時、私は高校を中退し15歳で最初に就職したのは、東向島という場所に在る自動車整備工場でした。
当時からエンジンを触りたくて整備工場入りしたわけなんですが、来る日も来る日もやらされるのはオイルや泥で汚れたエンジンや足回りのパーツ洗浄やコビりついたガスケット剥がし等でした。
洗浄油の匂いで酔いそうになるし(当時は白ガソリンだったと思います)、素手で作業しているものですから、特に冬場には手がカサカサになって終いには赤切れしてくるんです。
体に染みついた匂いは強烈ですし、洗っても洗っても爪の中に入った汚れも取れません。就職当初はまだ免許もありませんでしたから、通勤電車の中で油臭い自分が恥ずかしかったのを憶えています。
整備工場と言う響きに思い描いていたイメージと全く噛みあわず、当時は嫌々やっていたのを思い出します。
そしてこの様に、数十年経った今でも全く同じ事をしながら、当時の記憶がフラッシュバックするわけです。笑
画像は本日の物ですが、OHの為に分解したヘッドの洗浄風景です。ウェットブラストとか、最近では重曹ブラストとか、またはケミカルを使った漬け置き、専用の洗浄機に入れて等など、洗浄の方法は様々ですが、私は昔ながらのこんなやり方で洗浄、そして最後にケミカルを使用した漬け置きで手の入らない箇所をクリーニングします。
重曹ブラストは導入を考えていますが、思う所ありでエンジン内部にウェットブラストは掛けない方針です。
当時は嫌々やっていた洗浄なんですが、後に自分でエンジンを組ませてもらえる様になると、同じ洗浄作業でも向き合い方が変わってきました。勿論、今でも決して楽しい作業ではないのですが、洗浄しながら微細なクラックを発見したり、各部を触り見る事で消耗度合や見過ごしてしまいそうなトラブルを発見できると気が付いたからです。
旧い空冷Zのエンジンともなれば、今日に至るまでの走行距離、乗り方、保守点検のレベル等に大きく開きが出るため、その状態もまちまちです。洗浄しながらそのエンジンが今日に至るまでのストーリーなんかを考えたりもします。変な生物が住みついていたり、または既にOHが施され何か英語でメッセージが書いてあったり。
画像は、現在組んでいるZ2エンジンです。メカニックというと、仕事風景としてこんな様な絵を思い描いていたのですが、実際に待ち受けていたのは洗浄&洗浄。笑
内燃機加工も完了し、あとは組むだけという状態まで用意が出来ると、意外に組み上げはあっと言う間に終わります。洗浄や点検そして測定等に費やす時間の方が多いと思います。
今となっては、当時何故そればかりを毎日やらされていたのかが良く解りますね。だから洗浄台での作業は、今も私にとって初心に帰る場所でもあるわけです。
確か給料は7万円位だったなぁ・・・笑