やっとの事で最終テスト段階に突入した試作カム達。
リフトや作用角を始めとするプロフィールの違いは勿論ですが、使用する素材や表面処理などの違いを確認する為の作業が続いていました。
現在は車両に組み込んでシャシダイ上でのデータ収集や他のカムとの比較等をおこなったり、また実走行を含めた耐久テストも同時に進んでいます。
気温等を始めとする様々な条件を出来るだけイコールコンディションとする様に努め、純正そして各社外製品等との比較も行っています。
カムシャフトに遠心分度器を装着し度数を刻みながらデータを作った上で、各カムの比較をするとそのキャラクターの違いが一目瞭然でわかります。どこから開き始め、どこまでリフトし、その加速度の度合などなど。
そして、実際に車両に各カムを組み込んではシャシダイに載せ、ここでもまたデータの収集を繰り返します。勿論数値だけには頼らず、感覚的な違いも実走行を繰り返し体に刻んでゆきます。
カムシャフト単体で計測したデータは、基本的にシャシダイ上でも嘘はつきません。両方を照らし合わせてもほぼ納得のゆく結果となります。
組んで測定してバラし、また組んで測定を繰り返します。もう数え切れない程やってます。
メーカーさんなら、手間暇を掛けずもっと効率的にテストもデーター収集も可能なのでしょうが、私達は昔ながらのアナログなやりかたを繰り返すしかありません。
キャラクターの異なる数種類のカムをリリースする予定ですが、私達なりのスタンスでそのキャラ別けがハッキリと解りやすいものに。そして目的別に選択して頂きやすい物に。そしてピストンを始めとする各エンジンパーツとの組み合わせで、どの様なチューニング方法と結果を導き出す事が出来るのか?カムに限った事ではありませんが、それらを解り易くデータとしてご提供し、手にして頂いた方々に納得してもらえる様な物を目指します。
カムやピストンといったハードパーツ。それらは単体のスペックだけでは最終的なパフォーマンスは語れませんから、求める性能と目的を優先した上で「強化」ではなく「適正化」という考え方。それは行き過ぎずしかし不足する事もなく、目的を達成する為の必然から生まれるパーツチョイスでありたいと考えています。
今夜もまだまだ突き詰めます。