Pistal Racing 社製鍛造ピストンZ1000J系用のピストンヘッドです。
先日仕上がった先行量産品を、出荷前に寸法チェックした時のものです。
これはハイチューニング対応の76mmボアのものになります。
仕様として、
インテーク側のバルブリセス径はJ系純正より1mm大きな38mmバルブを使用して外周1mmのクリアランス
エキゾースト側は同じく0.5mm大きな32.5mmバルブを使用して外周1mmクリアランス。
ちなみに、初期のZ1000Jと後期J系ではエキゾーストバルブの位置が異なるのですが、どちらのシリンダーヘッドを使用してもバルブがピストンヘッドに接触はしない適正な位置に設計しています。
リセス深さはアフターマーケットで11mm級の最大リフトの各社435クラスやヨシムラ社のST2クラスのカムシャフトを使用した場合でインテーク側バルブとピストンヘッド間に1.6mmのクリアランスが出来る様に適正化。
必要以上に深くせず、それでも必要なマージンは確保しました。
さて、Z1000J系ヘッドは外周部に切削が行われています。
左側は初期型、右側は後期型
そのどちらにも効率的にスキッシュエリアを生かせる様、ピストンヘッド外周部分の寸法を試作品から量産品にする際に修正しました。
こちらが寸法試作品
量産品です。
○で囲った部分の燃焼室断面形状が理に適ったものに変わっているのがわかると思います。
具体的にはスロープの立ち上がり径とその角度を変更して、ピストン上昇時により効率的に混合気を集中させられる効果を狙っています。
40年近く前に設計された燃焼室に対して、現代のガソリンや点火システムを使う事を前提として新規にピストン設計を行えば耐久性も落とさずにどこまで効率とパワーのアップが見込めるか。
興味のあるユーザーには是非とも試して欲しいと思います。