私が担当させて頂いているKZ1000 & Z1。
共にエンジンOHでお預かりしています。
Z1は腰上OH、そしてKZ1000は腰下からのOH+電装とキャブレターのブラッシュUPです。KZ1000は既に腰下が組み上がっておりますが、今日はZ1のエンジン組み作業が進行。
ESTスリーブへ打ち替え&ボーリングそして上下最小値面研が完了したシリンダーブロック。最終洗浄と同時に組み付け前の各部点検を行います。
エアブロー完了。
センターカムチェーンシール溝もマシニング加工にて均一且つ適正な深さと面粗度で仕上げています。それによりシール性を向上させオイルリーク対策も兼ねています。
ヘッドの組み付けです。
ESバルブスプリング(type S)を使用します。ステムシールは純正品。傷みの無いリテーナーは再利用しますが、スプリングシートは再使用せず純正新品へ交換です。
画像上は純正新品です。
こちらはリビルド前に使用していたスプリングシートですが、摩耗して段差が出来ています。エンジン稼動中のバルブスプリングは自転しながら適切なポジショニングを行っている為、その妨げになる様な摩耗や段差が見られた場合には潔く交換がベストです。ノーマルスプリングとカムであれば、エンジンオイル管理や走行距離などにより摩耗の差が出て来ると思います。
HFバルブ(Plus)を使用します。EXに加えINバルブ45°面にもステライト合金を溶着させ耐摩耗性を向上させています。またステムをウエスト形状とする事でフロー率UPも狙います。どこにも鍛造肌が見られないのは、ステムだけではなく傘裏&傘表まで前面に切削加工を施してある為でバラつきも最小限となっています。
ESバルブスプリングを使用します。最新の設計と最新のスプリング材を用いた上で、更にエッグシェイプ(卵型断面)を採用。ヘタリにくく、適切なセット荷重を長期に渡り保持しながらも最大カムリフト付近で必要以上に荷重が立ち上がる事のない設計です。結果的にカムプロフィールに対し正確な追従性を確保しながらフリクションを低減し、バルブトレイン系への耐久性向上も狙っています。
組みあがったヘッドです。最小値面研済。余程ダメージを負った物でない限り平均して0.05~0.1mm程度の最小値でキレイに面が出ます。
カムメタル、アイドラーギア類、ダンパー類、リフターは全て純正新品を使用。テンショナーローラーは表面硬度が適正化されたシャフトに交換した上での組み付けです。
PISTAL製鍛造ピストンを使用します。ボアはSTDと同径の66mmですが、圧倒的に軽量且つ高剛性。そして適度な圧縮比UPを狙い、STDから排気量を変える事なく耐久性も向上させながらパンチのあるエンジンを作ります。
そして隣では高山の担当するZ1エンジンが組みあがっています。
同じく66mm/PISTAL製鍛造ピストン仕様です。
こちらは組み上げたヘッドが搭載され完成まであと一息です。私の担当するZ1も明日にはヘッド搭載まで進める予定です。~明日に続く~