記念すべき令和新元号初日の本日、UK に本社を置く AT POWER 社より空冷Z専用スロットルボディのプロトタイプ3が届きました。
Z系用スロットルボディの構想は約20年前からありましたが、最初にAT POWER社とコンタクトし開発が始まったのが2014年ですから、そこから既に5年の月日が流れています。
当初プロトタイプ01は明らかなハード的問題を抱えており、すぐに問題点を洗い出した上でプロトタイプ02の再設計を行います。やっとの事で出来上がったプロトタイプ02は01に比べ飛躍的に進化したものの、製品としてリリースするには未だ小さな問題点を抱えていました。この02は私達の手で修正作業を加える事により現在もお客様のZ1Rで正常に機能しています。
今回再設計となり進化したのは主にリンケージの構造変更とバタフライの精度向上です。また同調を始めとする調整作業が更にやりやすくなっています。
以前にもご紹介しましたが、このAT POWER社製スロットル最大の特徴はバタフライを稼動させる為のシャフトが存在しない事です。
ファンネルを外した状態にすると、シャフトレスバタフライ独特の形状がわかります。
全開時のスロットルボア内の様子です。シャフトが存在しない為ポート内ではバタフライの厚み分のみが残ります。メーカーの説明によると、比較対象ボアサイズにより上下はするものの、同一口径であれば一般的なシャフト付バタフライより7%前後フロー率が向上するとの事です。
まだインジェクターも燃料デリバリーパイプも装着していないので随分とスッキリしてみえます。実は余談ですが、ボディはシルバーそしてファンネルを黒というアルマイトオーダーだったのですが、先方の間違いで共に黒/黒で手元に届きました。シッピング前にそれは知らされていたのですが、機能的に問題はないですし、一日でも早くテストをしたかった為そのまま送らせましたところ、手に取ってみた現物は中々どうして悪くはないという印象。車輛のカスタム仕様によってはこれもアリかなと。
流用ではなく専用設計なので、エンジン(インシュレーター)への装着は無加工のいわゆるポン付け。アダプター等の介在を必要としていません。
当初は個人的な想いと趣味半分な気持ちで設計製作を始めましたが、少なからずご興味を持って下さったお客様よりリクエストを頂いており、今回の実走テスト次第ではプロトタイプ03以降、量産化も視野に入れるつもりです。
既にパーツリスト作成も始まっています。
以前にも上げた動画ですがシャシダイ上でのテスト風景です。