以前、記事にしたCVK34を組み込みセットアップしたオーナー車、エンジンオーバーホール後のならし運転も終了したとの事ですので入庫いただき、弊社ダイノマシンを使用して全開負荷域迄のセッティングを行いました。
あたりの出たエンジンは多少のセッティング変化も出ますので、以前に調整済みの低中速域もリターダー負荷をかけながら再調整
ニードルとジェットの変更を繰り返しながら全開域迄煮詰めます
特に全開全負荷域での連続運転は公道ではまず行われる事が無いにしても、加速性能に大きくかかわる部分ですので適正に合わせる事は重要です。
最終的には当社ダイナモで86.5PS 8.37kgのトルクとなりました。出力数値そのものは機械ごとの差が大きい為、カタログ値や他社のマシンで測定した数値との比較は正直意味がありませんが、これは先日測定したフルノーマルのZ1000Jを上回っています。(赤が今回のMK2,青がZ1000J)
Z1000Jも34mmのMIKUNI製BS34mm負圧キャブを使用していますので、この数値差はキャブレターの性能差によるものと思われます。
勿論馬力そのものは、最近のバイクに比べてても驚くほどのものではありませんが、特徴的なのはやはりトルクカーブ。
3,000rpm+も回すと、最大トルクの9割近くが出力されています。この出力特性だと、遵法走行域ではトルクの厚さ故に馬鹿に出来ない速さです。
又、TPS付き負圧キャブ故のフレキシブルさですが、公道での走行負荷分をシミュレーションしながらリターダーでブレーキ負荷をかけた状態で、トップギア2,500rpmの巡航状態から一気にアクセルを全開にして、最高速域迄息つく事も無く吹け切らせる事が可能です。
最終的にはダイナモでは計測が難しい停車状態からのスタート、極低速での加減速や巡航、タウンスピード領域を含めて高速道の巡航迄を実走行で確認してオーナーにお渡しです。