レストア、レストレーション、等と表現される作業があります。
再生や復元といった意味合いで使われていると思いますが、生産から数十年、旧い物ではもう少しで50年に手が届きそうな空冷Z達。中にはどうにか原型を留めてはいるものの、見た目もその内容も安心して乗れる様な状態ではなくなってしまった物も当然あるわけです。
しかしレストレーションという単語その物に実は定義は存在しているわけでもなく、どこまで何をすればそう呼べるのか、はっきりとした定義が無いわけです。そう言った意味では一般的に使われるエンジンOHも同様です。
ただ一般的にレストレーションと聞けば、見た目もエンジン内部等を含めたその内容も新車の様な状態まで復元される物をイメージされると思います。
私達も少なからず年間を通して数台単位でのレストレーションをお受けいたしますが、極力仕上げた感を出さない様なフィニッシュを心掛けています。使用するパーツ、それら仕上げ具合のサジ加減等々。またエンジン内部や電装系に関しては余程強いリクエストが無い限り、現代レベルでの加工技術やパーツを採り入れ、より楽しくそして永く楽しんで頂ける様な方向性をお勧めしています。
画像は数年前にフルレストレーションをお任せ頂いた750RSです。新車当時からの強い拘りをお持ちで、一度新車の様に巻き戻し、オーナーと共に再スタートを切った車両です。車検の為入庫しておりますが、納車した時と変わらぬ輝きにオーナーの強い愛情を感じますね。組手となった私達も本当に嬉しく思います。
適度なヤレ感(年代感)を纏うフルオリジナルも良し、時間を巻き戻したフルレストレーションも良し、または自分だけのオリジナルを表現したカスタム車両も良し、空冷Zの付き合い方も楽しみ方も色々です。