オイル漏れの修理でお預かり中のZ1です。
旧い空冷エンジンに、オイルの滲みすら絶対に許さない・・・となると流石に厳しいものがございますが、走行中にリークしたオイルがライダーの足元に飛沫したりというレベルは、流石に滲みではなく許容を超えた漏れと言って良いでしょう。
今回、オイル漏れの原因がシリンダーブロック上面のカムチェーントンネル部分をシールするセンターシールだと断定し修理に着手。分解前に圧縮圧力&リークダウンのチェックを行った際、ヘッド側からのリークを確認。圧縮圧力にも大きなバラつきがありました。
本来はセンターシールやヘッドガスケットを交換して完了予定だったのですが、リークダウンの原因となっていたバルブとシートの当たりを洗浄&摺合せで改善を試みました。同時に硬化の進み若干オイルの下がり現象が始まっていた為、ステムシールも交換です。少々アタリ幅が広くなっていますが、ガイドとステム間クリアランスも許容範囲と判断したため摺合せ調整のみとしました。
バルブを始めバルブスプリングやリテーナーそしてスプリングシート等は洗浄後に再利用です。
そして、ジョイントリンクカムチェーンを使用し腰下を割らずカムチェーン交換。
傷んでいたアイドラギアーは全て交換。ローラーシャフトに適正な硬度を持つPAMSリファインドテンショナーに交換です。
カーボン除去の完了した純正ピストンヘッド。
組立の完了したヘッドを搭載しカムもセット。カムチェーンも交換済みなので、チェーン伸びによるバルタイ遅れも解消。
リークダウンも許容範囲に収まりました。火入を済ませたら実走チェックを重ねオーナーへお渡しとなります。
オイルリーク修理でガスケット交換だけの予定でしたが、結果的に以前よりも安心できるエンジンになったと思います。