空冷Zの組み立て式クランクシャフト。分解して並べて広げてみると、今時の一体式と比べ何と構成部品の多いことかと思いませんか。コスト掛かってたでしょうね。
Z1000のシリンダーヘッドを復刻するという大技を繰り出してきたカワサキ重工さんが、続けてこの辺りも作って下さると有難いのですが、検討してもらいたいところです。
ジャーナル部分に腐食(虫食い)が発生していたり、編摩耗していたりするのは珍しくもない昨今、
分解してSTDサイズのベアリングに交換するだけでは、見た目がキレイになった所で本来のリビルドではないと思います。
現在、必要であればジャーナル部やコンロッド大端部を研磨し、それに合わせた専用のオーバーサイズベアリングを製作して頂いた上でリビルドを進めていますが、やはりコストはそれなりに掛かりますし、あまりにも酷く傷んだ物は分解した所で作業終了とせざる得ない物も中にはございます。
画像は傷んだ小端部に精密研磨を施しベリリウム銅を用いてブッシュを打ち込み再生した物。
大端部も研磨修正済。
腐蝕痕もキレイに除去。
J系クランクも廃盤となり久しく、強く再販を望みたいところではありますが、現実的には中々難しいかもしれませんね。
どんなに手を入れても、クランクが宜しくないと全て台無し。ここが全てを受け止め、燃焼圧力を回転運動へと変換している場所ですから。