エンジンメンテナンス項目の中でも良く耳にするタペット調整。
サービスマニュアルでは6000km毎の調整を推奨。
画像上は定期Check up で入庫中のZ1R-2ですが、測定したところ若干のバラ付が生じていた為に調整という所です。
さて、ご存じの方々も既に多いと思いますが、空冷Z系にはそのタペットにアウターシムタイプとインナーシムタイプの二種類が存在します。因みに1100RとGPZ1100がインネーシムでその他は全てアウターシムタイプです。
Z1Rは1型&2型共に本来はアウターシムタイプですが、画像のZ1R-2はインナーシムタイプへと改められています。インナーシムはアウターシムに比べ小径の為圧倒的に軽く、またハイリフトカム等を使用した際、高回転時にシムが外れて飛び出すといったトラブルを防ぐメリットがあるのですが、メンテナンス性で言うと圧倒的にアウターシムに比べて劣ります。
アウターシムはカムシャフトを外すこと無くSST使用によって簡単にシム交換が可能ですが、リフターの下にセットされるインナーシムを交換するのは、ご覧の様に毎回カムシャフトを取り外す必要があるわけです。これが8カ所全て一発で決まれば有難いのですが、一か所だけでも再調整となると、当然ですがもう一度カムの脱着を必要とします。勿論、三度でも四度でも必要であればそれを繰り返します。何度もカムを着け外す際に、カムホルダーボルトの下穴にダメージが及んでしまう可能性もあり、気を遣いますね。
取り外したカムシャフトです。WEB CAM / ST3です(表面処理済)。インナーシム化されるエンジンに使用されるカムは先ずSTDよりも激しい性格の物でしょうから、尚更カムホルダーボルト下穴には負担が掛かりがちです。
タペット調整一つで一気にその調子を取り戻す事も珍しくはなく、今まで調整すらした事がない・・・という場合は簡単なメンテメニューではありますが、一考の価値ありです。