Z系のEFI化で、弊社では現状LINK社のECUを使う事が多いのですが、これにはEFI化を広めるにあたって、 無償でメーカーサイトからダウンロード出来る基本ソフトウェアの使い易さやその中のログ機能を使ったセッティングの秀逸さ、更に非常に理解し易く日本語で説明されているヘルプ画面が標準で備わっている事が理由です。
さて、通常は最もベーシックかつ小型ゆえに車両搭載面で有利なAtomを使用するのですが、更に細かな制御を取り入れたい場合は上級グレードのStormを使用します。
サイズ的には幅はあまり変わりませんが、奥行き長さ分大きいのと、筺体が樹脂からより放熱に優れたアルミになっているのが特徴です。
これは、Atomが最大4気筒分のインジェクターコントロールが可能なのに対して、Storm は8気筒分(8本)のコントロールが可能で、その分倍のコントロールチップの放熱が必要になるからではないかと想像しています。
もちろんZ系のエンジン制御にはAtomですらも必要十分以上の機能が備わっているのですが、データログや補正をかける為のアナログセンサー機能や、様々な制御を切り替えする為のデジタル入力ポート、又、各種のデバイスをコントロールする為のアナログ出力数がStorm ではほぼ2倍の数となります。
又、Stormではノッキング信号の入力や、そのロギング、補正機能を備えるのも大きな違いとなります。
上記の通り大型化して全長が長くはなるのですが、20年も昔のフルコンに比べると非常に薄く、ちなみにZ1のバッテリーケースでもこの通り、バッテリーと一緒にしてさえ収める事が出来ます。
ちなみに、このStorm は弊社のデータ研究用実験車両のZ1000Jに、atomに変わって組み込まれ、更に様々な実験データ収集に使う事になっています。
基本的な事ですが、例えば温度入力に特化したポートも増えていますので、吸気温度、シリンダーヘッド温度に加えて、オイル温度のサンプリングやフィードバック、又は汎用ポートに排気温度センサーやその他の車両各部のセンサーも接続する事が可能になります。
又、ノッキング信号を検出しての点火時期制御も可能でしょう。