LINK等のフルコンECUには、走行中の使用ギアポジションを表示したり、ログメモリーに記録する事の出来る機能が備わっているものがあります。
例えば、これは当方が使っています運転中のエンジン状態をモニタリングする為の表示画面です。(ちなみに、この画面はユーザーが簡単に編集出来るものなので、自分の好みや使い勝手、機能に合わせて簡単に編集も可能です。)
左上にスピードと、その下に使用ギアポジションが表示される様にしています。
これを使っているのはZ系ですが、ギアポジションはシフトドラムにハード的なスイッチを組み込んでいるわけでは無く、速度センサーで検知できるスピードと回転数からECUが予め設定した数値に合わせて計算して表示する様に設定しています。
この為、停車中で速度が0だと使用ギアに関係無くギアポジションは”0”になりますが、走り出せばその瞬間からかなり正確に使用ギアを算出して表示する様になります。
(計算では無く、他の車種で実際にギアポジションスイッチが装備されている場合でも、設定でそれを取り込み表示させる事も可能です。)
さて、実際のところ走行中には使用ギアは多くのライダーはいちいち数字で表示されずとも体感で知っているものなので、わざわざ数字で教えてもらわなくとも不自由は無いのですが、これが役に立つのは走行ログを見てセッティングを行う際です。
例えば走行後にデータを見て、実際に走っている時の感覚を想像する際に、アクセル開度と回転数,速度のみより、これに使用ギアが加わる事でどんな感じに走っていたかがその時の状況を連想し易くなるわけです。
クルージングしているか?シフトダウンしてアクセルを開けて加速しているか?
使用ギアがわかればより判断は簡単です。
これは停車中。
縦の青線が時間軸になります。
アクセルを開けてクラッチを繋げる瞬間です。
使用ギアは一番下のラインですが、0になっているのがわかります。
これはTOP(5速)に入れて低回転(2545rpm)でゆっくり走りながら(57.2km/h)僅かずつアクセルを開いて速度を上げているところに青い縦線が入っています。
更にこれで青線が入っているところは、4th(4速)でレブリミッターが作動する直前迄、一気に加速したところです。
シャーシダイナモ上ではありますが、9705rpmで195.1km/h迄伸びました。
これらのデータを元に、ダイナモ上や実走での空燃費に加速時の燃料増量や点火時期の数値を見ながらマップを詰めていく事が出来ます。