訳ありまして、何故か水平対向6気筒エンジンの腰下分解です。
旧い空冷ポルシェ911のクランクケースです。ご覧の様にシリンダースタッドボルトが立ち並び、ここに気筒別にシリンダーがセットされます。
因みにですが、この年式はクランクケースにマグネシウムが採用されており非常に軽量です。真ん中でパックリと二分割にてクランクを挟み込む水平対向独得の構造です。クランクの支持剛性に拘っている事が良く解ります。どこにも無駄な設計が見て取れないのは、流石ドイツ製。そしてグレードによってはこの時すでにメッキシリンダーが採用されていたんです。機械式インジェクションに6連独立のスロットルボディ等(マグボディ)も採用されました。しかもこの設計自体は1960年代半ばには完結しており、現代の水冷化された911でもその基本生計はさほど変わっていない気がします。
クランクも、量産市販車にここまでやるか?という位コストが掛かってます。ただし同年代の国産車、例えばS30Zあたりと比較すると似たようなスポーツカーの位置づけに6気筒エンジン同士でありながら、国内での価格差は5倍前後という事を考えれば、見えない場所にお金が掛かっているのもうなづけます。
空冷Zエンジンの隣に置いてみると、姿形は全く異なりますが基本は全て同じです。この空冷ポルシェのエンジンからも、ヒントになる様な事が幾つかあり面白いです。