先日より作業を続けていました、Z1 フルコンイグニッションシステム。
フルコン化作業がこの車両のみでなくプライベーター様お持ち込みのフルコンインジェクション車両(こちらも近日紹介しましょう)との並行作業の為、配線作業もなかなか一気にと言うわけではありませんが、本日無事に火がはいりました。
4連装イグニッションコイルを稼働させるイグニッション電源を、外装式の大容量イグナイターで制御しますが、コイルの一次電源通電時間も最適に制御出来る様に任意に設定が出来ますので、消費電力を増やす事も無く強力な火花を飛ばす事が出来ます。
ところで、インジェクションの作業を行いながらふと思いついたのでちょっといたずら。(笑)
初期のMOTO GPで導入されたインジェクションシステムに使われた、FCR-iと言うFCRキャブレターを流用したスライドバルブスロットルボディがありましたが、あれを思い出します。
ただ、FCR-iではキャブレターのフロート室を廃して、そこにボトムフィード用のインジェクターが装着されていました。さすがに同じ事をCRキャブでやろうとすると大改造になりますし、そもそもそこまでやると見た目も大幅に変わりますのでCRキャブでやるメリットは薄いかなと感じます。
これをやるのであれば、スロー系はキャブのそれを生かしたまま、それ以上の開度の部分をこの位置に装着したインジェクターでガス供給してやる様な形になるかとも。
そうなると不要になるジェットニードルやニードルジェットは取り外す事になります。全開時にはポート内にエアの流れを妨げるものは無くなり、フローも上がるでしょうからおそらくはピークパワーの向上も見込めるでしょう。
又、CRキャブには加速ポンプが装備されていませんが、スロー領域より上をインジェクション化した場合、スロットルの急開時等の必要時には自在に燃料を増量する設定が出来ますので、燃費を向上させながらも中開度領域のレスポンスやトルクは大幅に良くなると思われます。
課題と言えば、アナログ的なキャブ側のスロー系とインジェクターで制御する領域の繋がりをどれだけスムーズに出来るかと言うところでしょうか。
どちらかと言えば絶対性能重視と言うより、キャブの見た目の趣味性を残したいという部分が大きいのですが、ボディそのものの寿命はFCRやTMR等の寿命が長い傾向にあるCRキャブ、ちなみにこの位置にトップフィードインジェクターを装備した場合、例えばZ1の場合サイドカバーを装着するとインジェクターは見えません。これはこれで面白いかも知れませんね。