キャブコン化の作業を進めていた高山のZ1に火が入りました。
先日もUPしましたがCRキャブレターのまま、点火制御だけにLINK社のフルコンECUを使用しています。PC画面上で数値とその変化が解り易く可視化された事で、点火制御は更に面白くなりますし、車両個体に合わせて更に詰めたセッティングとデータ収集が可能となります。
勿論、点火制御のみをフルコン化しているので燃料制御は通常のキャブレターと何ら変わりません。それでもシリンダーヘッド温度、吸気温度、インマニ負圧、スロットル開度、空燃比、クランク角、スピードをパラメーターとして入力。フルコンならではのきめ細かな制御(補正)でエンジンの潜在能力を引出し且つ安全マージンの確保を可能にします。例えばチューンドエンジンなら誰でも気に掛けるノック対策もセンサーを追加する事で可能です。
短い動画を撮ってみましたのでご覧ください。PC画面上に各種情報が示されており、感覚的にも解り易い事が伝わると思います。
無負荷状態でのレーシングですのでそれによる補正が入り、点火時期が大きく進む様になっています。更にこれが実走になると回転数による進角のみではなく、走行負荷に応じた点火時期となります。
又、開度に応じた空燃費値も反応良く表示されているのがわかります。(最初の数十秒指針が動かないのはO2センサーの温度を上げる為の余熱時間が必要な為です。)
後日、シャシダイ上でデーターを残しながら更にセッティングを詰めて参りますが、ECU本体には上に記載した以外にも多くのパラメーターと稼働データが記録出来ます。車両速度と回転数から計算した使用ギアを始め、スロットル開度速度に応じた点火時期リタード等の作動状況等、実走行による本物の負荷がかかった際の空燃費の遷移も含まれますので、キャブレターのセッティングにも大きく役立つ事でしょう。
因みにエンジンはPISTAL 76mm ピストン+PE 鍛造削り中空カムシャフト(試作品)、そしてCR33mmという仕様です。
隠れた空冷Zの底力、まだまだお見せ出来るかもしれません。