エンジンオーバーホールの際に分解したクランクケースです。
さて、新車から40年も経っているエンジンの場合エンジンに何かしら整備されているのは普通ですし、その際にクランクケース上面側が研磨加工されている事は充分にありえます。
このクランクケースの場合、シリンダーブロックと接するケース側上面の状態は割と良好ですが、正直これのみでは以前に面研が行われているかどうか判断するのは難しいです。
例えばですが、つい先日に分解したエンジンでは、見た目はノーマルで組まれてはいましたが、基準寸法から0.3mm程ブロック面が面研されていました。
この寸法分は、シリンダーヘッド面を面研したりガスケットを薄くしたと同様に圧縮比を向上させる方に作用します。
例えば、ボア76㎜のピストンを組んで圧縮比11.0:1で組もうとしたエンジン、これが実は0.3mmもクランクケース側面が低くなっていた場合、11.47:1と0.5近くもなってきます。
この為、新車時からのエンジン整備履歴が完全にわかる車両以外であれば必ずこの部分を寸法も確認して、特にチューニングメニュー立ての際には考慮する必要があります。
以前にZ系エンジンの基準寸法については記事にしています。
測定方法を含め、参考にして下さいませ。
↑純正ベースガスケットは単品時厚さが0.5mm
エンジン組み立て時に10パーセント圧縮され0.45mmとして、新品時ブロック89.55mmと合わせて上面迄の高さが90mmとして設計されているものと思われます。