画像は手前からエンジンOHの為に分解したエンジンより摘出した物と、奥の二本は比較の為に並べた同じ中空カムシャフトです。
中空ですから共に初期Z1の物と思われます。中実カムでも問題ないのに随分とコスト掛かってます。ピンボケですみません。。。
さて、ご覧になられて色味の違いに疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思いますが、手前の二本はその色味に違いこそあれ形状や造りは純正の中空カムと全く変わりません。エンジンを分解し状態確認の為に洗浄していたらこんな色味が下からで出来たというわけなんです。
長年やってきて、この様な色味のカムを見たことが無かったので、形状はノーマルなのに不思議だなぁ。。。と思った後に各部の計測をしてみた所ベースサークルが小さい事が判明。
たぶんその昔には良く有ったノーマルカムベースのリグラインドカム(ハイカム)でベースサークルが若干小さくなっている物だと推察。リグラインドの際に研磨で削がれてしまった表面硬化層を再び作る為の熱処理時に、硬度の必要なジャーナルとカム山部分以外にマスキング(防炭)としての銅メッキを施したのだと思います。ただ、残念ながら何かしらの理由により望む硬度には達していない様で、ジャーナル、カム山共に偏摩耗が進んでいます。
因みにですが、空冷Z系どのコンロッドも洗浄して少しゴシゴシ擦ってやると、この様な銅メッキ地が現われます。
たまたまなんですが、最近は今更ながら熱処理の勉強に嵌っています。笑